おウチでもテレビ観戦で盛り上がろう 各シリーズの見どころは…
大混戦必至のSGTのGT500クラス。公式テストでルーキーのスープラから順番にコースインする(GTA提供)
大混戦必至のSGTのGT500クラス。公式テストでルーキーのスープラから順番にコースインする(GTA提供)
 新型コロナウイルスの世界的なまん延で、延期や中止のニュースが続いた今年のモータースポーツがようやく動きだした。国内で最も人気のあるスーパーGTは、無観客ながら富士スピードウェイ(静岡県)で19日に開幕。8月に入ると他のカテゴリーも、これまでの鬱憤(うっぷん)を晴らすかのように、世界中で熱戦が繰り広げられる超過密スケジュールとなった。こんな時は多くのカテゴリーを網羅するスポーツ専門チャンネル「J SPORTS」の出番。テレビの前で盛り上がろう。

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【スーパーGT(7・19開幕戦)】

 3カ月遅れで開幕するスーパーGTは、一新されたGT500クラス車両の激突が見どころだ。エンジンの搭載位置を他陣営と合わせたホンダNSX。15年ぶりにシリーズ復帰するトヨタ・スープラ。シリーズの代名詞とも言える日産GT―R。3メーカーが手塩にかけて作り上げた15台の新型車が雌雄を決する様は壮観だろう。

 公式テストではNSXの好調さが目立った。総合トップタイムを記録したクニミツの牧野任祐は「FR(フロントエンジン/リア駆動)になりましたが、クルマへの対応も順調なのでシーズンが始まるのが楽しみ」と前のめり。テストの勢いを保ってスタートダッシュを決めたいところだ。

 スープラ勢では昨季王者で、ルーキーに移籍した大嶋和也がいぶし銀の輝きを放つ。「チームもクルマも変わったが、エンジニアらは変わらないので、今まで以上にレースで強さを発揮できそう」。狙うは連覇のみ―といった感じ。

 やや劣勢ムードのGT―R勢だが、ニスモの松田次生は諦めていない。「もうすぐ開幕戦。皆で力を合わせて頑張る」。テストでの出遅れを急ピッチで取り戻し、万全の状態で今シーズンを戦う覚悟を見せた。

 今年は新型コロナ禍で第2戦(8月9日決勝)も富士で行われ、第5戦(10月4日決勝)、最終戦(11月29日決勝)の計4戦も予定。開幕戦を制したチームがシーズンも制するかもしれない。

【スーパーフォーミュラ(8・30開幕戦)】

 4カ月遅れの8月末に開幕するスーパーフォーミュラ(SF)は、新型コロナ禍で少し規則が変更された。全7戦とも予選、決勝を1日で行うワンデーイベントに。距離数も250キロに固定され、タイヤの運用も変わる見込みだ。また、ポイントシステムが大きく変わり、優勝が20ポイント、2位が15ポイント、3位11ポイントと上位入賞者への加点が増え、予選トップ3にもポイントが入ることになった。昨年までとは、戦い方が変わるかもしれない。

 3月末に富士スピードウェイで開かれた公式テストでは、インパルの平川亮が最速タイムを記録し、2番手がダンディライアンの福住仁嶺で、ナカジマのルーキー大湯都史樹が3番手に続いた。実戦まで5カ月も開くため戦力分布図が変わる可能性も高いが、昨年初王者を獲得したトムスのニック・キャシディを含めて混戦は必至だ。

【フォーミュラE(8・5再開)】

 開催5シーズン目を迎えた電動車シリーズ「フォーミュラE(FE)」は大胆な新型コロナ対策を打ち出した。2月の第5戦モロッコ・マラケシュ大会で中断しているが、残りの6戦をドイツ・ベルリンのテンペルホーフ空港跡地を利用した特設コースで一気に行うことになった。

 第6、7戦を8月5、6日、第8、9戦は同8、9日、第10、11戦も同12、13日に予定し、9日間で6戦を消化する超過密日程。FEのジェイミー・ライグル最高経営責任者は「3つの異なるレイアウトを用意し、ダブルヘッダーの3連戦。混乱のシーズンをドラマチックに締めくくる」と史上初の試みに意欲的だ。

 現在DSテチーターのアントニオ・ダコスタが67ポイントでランキング首位に立つが、1レースで最大29ポイントも稼げるため、誰が飛び出すのかは全く予想できない。

【世界耐久選手権(WEC、8・15再開)】

 2月にサーキット・オブ・ジ・アメリカズで開かれた第5戦で中断された世界耐久選手権(WEC)の2019―20年シーズンは、8月にベルギーのスパフランコルシャンで半年ぶりに再開する。本来は6月に開かれる最大イベントの仏ルマン24時間レースも9月に延期され、スパはその行方を占う大事な1戦という位置付けは変わらない。

 今季から成績に応じた厳しい性能調整が導入され、昨季王者のトヨタガズーレーシングも連勝街道を歩めないが、LMP1クラスのランキング1、2は死守。首位は小林可夢偉の7号車で、中嶋一貴の8号車は5ポイント差の2位。最終戦が11月のバーレーンになったが、性能調整が適用されないルマンの結果がタイトル争いに大きく影響するのは例年通り。二人の日本人が頂点を争う、チーム内バトルは徐々に佳境を迎える。



【ドイツツーリングカー選手権(DTM、8・1開幕戦)】元F1の不死鳥クビサが参戦
 ドイツツーリングカー選手権(DTM)は8月1、2日にスパフランコルシャンで開幕戦を迎える。同コースでのシリーズ戦開催は15年ぶり。名物のオールージュを駆け上がるDTM車両の勇姿は必見だろう。

 今年は9大会18レースを予定している。エントリーはBMWとアウディの2メーカーから16台。昨季はF1ウィリアムズで走ったロベルト・クビサがBMW陣営に加わった。2011年のラリー中の事故で右腕を失いかける大けがを負ったが、不死鳥のごとく復活した姿をツーリングカーで見るのも悪くない。

 ただ、今季限りでアウディがシリーズからの撤退を発表しており、来季開催は極めて不透明。SGTとの統一車両規則「CLASS ONE」で作られた“兄弟車”の戦いを、その目に焼き付ける最後のチャンスかもしれない。