国内唯一の昼夜を通した激しいバトル
24時間レース名物の夜間走行。ここでドラマが起きる=第2回公式テストから
24時間レース名物の夜間走行。ここでドラマが起きる=第2回公式テストから
 スーパー耐久シリーズ第3戦「NAPAC 富士SUPER TEC 24時間レース」(22〜23日決勝)が、静岡県の富士スピードウェイで開かれる。2018年に富士では50年ぶりに復活され、今年は9クラスに52台がエントリーする盛況ぶりだ。スーパーGTなど国内トップシリーズで活躍する有力選手も数多く参戦し、各クラスで激しい優勝争いを繰り広げる。国内で唯一の昼夜を通して戦う24時間レースは、今大会も見どころ満載だ。

 霊峰・富士を背にした風光明媚(めいび)な富士スピードウェイで、日本では唯一の24時間レースが幕を開ける。復活開催してまだ4年目ながら、すっかり定着。独特の雰囲気を醸し出す名物レースになった。

 ルーキーレーシングからSTQクラスに参戦する大嶋和也(トヨタGRスープラ)は「富士は今年で4回目。チームのみんなで戦うので、ゴールした時には言い知れようのない充実感がある」と24時間レースの魅力を力説する。複数ドライバーで走るのはもちろん、メカニックやエンジニアらチームが総力を挙げて戦うため、結果以上の大きな達成感を味わうことができるという。

中山「病みつきに」

中山雄一が乗り込むaprのレクサスRC F
中山雄一が乗り込むaprのレクサスRC F
 最高峰STXクラスの優勝候補に挙げられるaprの中山雄一(レクサスRC F)も同じだ。「チームもドライバーもヘトヘトになるが、順位にかかわらず達成感がある。だから病みつきになって、このレースだけは出たいというドライバーも多い」。富士はスーパー耐久シリーズの一戦ながら、特別戦のためドライバーが最大6人まで増やせるため、実力派選手がスポット参戦するケースも目立つ。

松田、戦い抜く喜び

松田次生
松田次生
 昨年に続きMPレーシングからスポット参戦する松田次生(日産GT―R)も、24時間レースにはまった一人。「優勝できればものすごくうれしいだろうが、そうでなくても完走した時の達成感や喜びは大きい。昨年はトップを走りながらトラブルで4位。今年こそは―」。戦い抜くことに喜びを感じるが、今年はもっと大きな感動を味わいたいようだ。

 昨年2位の中山は頂点に狙いを定める。「今年の目標は総合優勝です。勝てば目立ちますからね。肝はピットストップをどれだけ少なくできるかでしょう」。通常のシリーズ戦ではポルシェ岡崎から参戦する中山ら3選手が、aprに加わるラインアップは実力派ぞろい。戦略を間違えず、トラブルなく走り切れれば待望の頂点にも手が届くはずだ。

坪井、独特な魅力ある

坪井翔
坪井翔
 一方、24時間の戦いは総合優勝争いだけではない。ST4クラスにCSIレーシングから挑む坪井翔(トヨタ86)は「夜も走るので、お客さんはバーベキューしながら見るのも魅力の一つ。走る方では普段は夜に走らないので、いつもと違った難しさと楽しさがある」と独特な魅力を挙げた。夜間走行で寝られないつらさはあるが、「終わった時の感動はすごい」と戦い抜くことの充実感は別格なようだ。

 坪井は4回目の挑戦。昨年はクラス優勝を決めており、目標は連覇だ。「24時間は長いし、速ければいいレースではない。どうやれば勝てるのかは分かっている。うまくコントロールしたい」。スーパーGTやスーパーフォーミュラでトップ争いする期待の若手が、下位クラスを制するため全力を尽くすのも24時間レースならではだろう。

 今年の富士24時間レースも、戦った人の数だけドラマを生み出す。それぞれの戦いに挑む52台が、感動のチェッカーに突き進む。