エースライダーとして勝つための走りに徹する
昨年と同じメンバーで安定感がプラス
表彰台の中心で連覇達成を喜ぶハルクプロ高橋巧(カメラ=中森麻未)
表彰台の中心で連覇達成を喜ぶハルクプロ高橋巧(カメラ=中森麻未)
 昨年の大会覇者、ハルクプロの高橋巧(24)は、今年の鈴鹿8時間耐久ロードレース(7月27日決勝=三重県・鈴鹿サーキット)で、L・ハスラム(イギリス・31)、M・ファンデルマーク(オランダ・21) と組み、見事2連覇を果たした。4度のセーフティカー導入、豪雨から晴れと激動の戦いのなか、高橋は4回の走行、ファンデルマークが2回、ハスラムは1回と、エース高橋の力走が勝利を呼び込んだ。高橋に自身3度目となる8耐勝利の喜びを聞いた。(聞き手=佐藤洋美)

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 −大荒れとなった今年の8耐を制した今の気持ちは?

 「雨が降ったり止んだりで、気温は上がらなかったので体力的には楽でしたが、精神的には疲れました」

 −豪雨のスタートライダーを務め、路面コンデションが難しい状況になると高橋選手が投入され、4回の走行をこなしまた。

 「僕がマシンも鈴鹿も8耐も知っているので、チームの作戦に従っただけです」

 −その信頼に見事に応えたわけですが、勝てる自信はありましたか?

 「8耐テストではハスラムが参加できず、マークも2回目の1日だけ。僕も3回目の1日は参加出来ないなかで充分とは言えませんでした。でも、昨年と同メンバーなので安心感がありました。きっちり勝負できるだろうと思っていました」

 −ご自身の予想は?

 「最大のライバルは同じマシンの秋吉さんとレイのTSR。ヨシムラの津田(拓也)選手チームは、本番にならないと力が見えてこないので予想がつかなかった。ヤマハの中須賀(克行)選手のチームはピットインが8回と自分たちの計画より1回多いので、自分たちの走りが出来れば大丈夫だろうと思っていましたね。TSRとの勝負になると気持ちを引き締めて挑みました」

 −決勝前半戦は秋吉耕祐/J・レイの独走でしたが、自信は揺らいでなかった?

 「揺らがなかったですね。8耐は本当に何があるかわからないレースなので、絶対にチャンスが来る、逃さないという気持ちで走っていました」

 −秋吉選手の転倒は、どこで知りましたか?

 「路面状況が難しくフロントが切り込みやすかった。秋吉選手も同じだろうと思っていました。目の前に秋吉選手がいたのでシケインで強引にパス。ちょっと焦ってくれたらいいと前に出てペースアップ。次の周の130Rで止まっている秋吉選手のマシンを見ました」

 −そこからは独走体制となります。ファンデルマークがファステストラップを出しましたが、自分が記録しようという欲はありませんでしたか?

 「大事なのは優勝ですから、そのへんの気持ちは出さないように、勝つための走りをしようとしていました」

 −昨年の優勝ではファンデルマークは1回の走行で、そのぶんを高橋選手の走りでカバーしました。今年も同じように力を示したわけですが。

 「昨年のマークは1回しか走れなくて悔しかったと思います。ハスラムも足のケガがあって辛かった。僕も前半戦の全日本ロードで勝つことが出来ていなかった。それが、今年は3人とも体調も万全で、僕もマークもランキングトップ。ハスラムはケガがなく調子を上げていて、ライダーとして成長出来ていたと思います。昨年の優勝より、天候やコンデションは難しかったけど、心強かったです」

 −ライダーとしてマークと勝負したいですか?

 「いや、チームメートがいいです」(笑)

 −これからの目標は?

 「昨年は8耐以降、調子を崩したので、今年は前半戦の勢いのまま全日本タイトル獲得に気持ちを切り替えて行きます」

 −日本を代表するライダーである高橋選手がモトGPに挑戦する姿も、ファンは見たいと思いますが。

 「モトGPテストではタイムも上がっているので、自分も挑戦したい。たくさんの人からそんなふうに思ってもらえるように、今まで以上に努力します。8耐と同じように応援してもらえるようにがんばります。ありがとうございました」