MFJ年間表彰式で12回目の王座獲得をたたえられ、喜びのあいさつをする中須賀(内山田正夫撮影)
MFJ年間表彰式で12回目の王座獲得をたたえられ、喜びのあいさつをする中須賀(内山田正夫撮影)
 日本モーターサイクルスポーツ協会(MFJ)の年間表彰式が16日、東京都港区で開かれ、4年ぶりに各シリーズの王者が集結。全日本ロードレース選手権JSB1000クラスに君臨する絶対王者、ヤマハファクトリーの中須賀克行(42)は「来年以降も選手一丸となり、良いレースをして盛り上げていきたい」と2輪業界けん引を誓った。一昨年からの驚異的な連勝記録は「27」で止まったが、今季も9勝を挙げて通算12回目の王座を獲得。変わらぬ強さの秘訣(ひけつ)を探った。(聞き手=佐藤洋美)

 ―3戦目のレース1でチームメートの岡本裕生に先着され、連勝記録が止まった。

 中須賀「記録更新で騒がれることから解放され、気持ち的には楽になれた。でも、負けたことは当然悔しくて、データを分析して翌日のレース2に備えた。スタッフも同じ気持ちで、『どうしたら勝てるのか』とチーム全体に緊張感が出た。勝利に貪欲になることができ、一生懸命に取り組んだ結果、レース2でやり返せた。SUGOは苦手なコースだったので、すぐにリカバーできたことで自身の成長を感じた」

 ―そこから4連勝で王座を獲得。最終戦のレース1では、トップ争いを繰り広げた岡本とシケインで接触し、ともにリタイアに終わった。

 「岡本のレベルも上がり、拮抗(きっこう)していて共倒れになってしまった。でも、ライダーとして、あそこで引くわけにはいかなかった。最終戦を楽しみに来てくれたファン、支えてくれたスタッフには申し訳なく思っているが、自分のスタイルは変えずにいたい」

 ―続くレース2は欠場した。

 「クラッシュの影響で足を痛めてしまい、朝のウオームアップランを走ってから、チームと相談して決めた。レース後に関係者からかけられた声が救いだった。『中須賀がいないレースはつまらない。中須賀を倒そうと、後輩ライダーたちが切磋琢磨(せっさたくま)するレースが面白い』と言ってくれた。俺が勝つのは当然と言われることが多いけど、自分では当然とは思っていないし、自分が走り続ける意味があるのだと思えた」

 ―岡本の成長に大きく寄与していると吉川和多留監督も断言する。

 「(岡本に)聞かれたことは全て答えるし、セッティングに関しても秘密はない。必要な時はコース上で引っ張る。今年のレースを見てもらえれば分かるけど、本当に拮抗するレベルに来ている。ライダーとしては、ライバルに何でも教えてしまうことに抵抗がないわけではないが、それを受け入れるようになった。次を担うライダーが必要だし、自分も『抜かれないように』と気持ちが引き締まる」

 ―勝ち続ける秘訣は?

 「単純に速く走ることが好きで、結果がすぐに出るレースの世界に魅力を感じている。勝利に対する執着が強く、負けず嫌いだからだと思う。最高のスタッフが支えてくれるからチャンピオンになり続けていられる。そのスタッフの喜ぶ顔が見たいから、努力し続けている」

 ―どんな努力を?

 「年齢を重ねていくと、若いころに普通にできていたことがつらいと感じることもある。だから、トレーニング時間は年々増えていくし、食事も気をつけるようになった。疲れを残さないようにと、常に考えている」

 ―来季の目標は?

 「タイトルを目指して、勝ち続けたい」