国内2輪レースの最高峰、全日本ロードレース選手権JSB1000クラスに参戦するヤマハファクトリーチームの岡本裕生(24)と、中日ドラゴンズの若きエース候補、高橋宏斗(21)。戦いの場は違えど、アスリートとして高みを目指すのは同じ。初対面ながら本音トークがさく裂した。

 高橋宏斗 野球はお好きですか?

 岡本裕生 子供のころはプロ野球チップスを小遣いで買って集めて、観戦に出かけました。最近は野球ゲームで高橋選手によく登場してもらっています。友人には高橋選手のファンがたくさんいるのでお会いできるのを楽しみにしていました。

 高橋 レースはものすごいスピードを操るスポーツというイメージですが、けがなど怖くはないですか?

 岡本 これまで20カ所くらい骨折してますが、最近は転倒が少なくなりました。怖いと思ったら攻められないので意識しないようにしています。

 高橋 すごいなぁ〜。

 岡本 バイクはごまかしが利くというか…。鎖骨が折れていても走れてしまう。その点、野球はけががあると試合に出られないシビアさがありますね。

 高橋 そうですね。体のケアを大事にしています。試合前の6日間を使って効果的な体作りを考え、休みの日も整体に出かけて自分なりに調整をしています。

 ─お二人が競技を始めたきっかけは?

 高橋 兄が野球をしていたので、練習の送り迎えをする親に連れられて野球場に出かけて、いつも野球を見ていたので自然に始めました。

 岡本 バイク好きの親の影響で6歳から子供用のキッズバイクに乗っていた、というより乗せられていたという方が近い。結果が良ければ褒めてもらえるけど、だめな時は怒られていました。

 高橋 同じですね。親は厳しくて、中学生くらいまではしんどかった。結果が悪いと「練習してこい」と言われて、一人でバットを振り、ピッチング練習をしていました。当時はやけくそな気持ちでやっていたけど、今は、あの時間があって良かったと思います。

 岡本 高橋選手はコロナ禍で甲子園が中止になった世代ですよね。

 高橋 部員全員が集められて「甲子園中止」と言われた時の沈んだ気持ちを覚えています。

 ─高校球児にとってのアピールの場を失いましたが、高橋選手の評価は高く、2020年のドラフトで1位指名を受けてドラゴンズ入団を果たし、岡本選手も22年、ライダー憧れのヤマハファクトリーチームに迎えられます。

 高橋 不安しかなかった。坂本勇人さんや田中将大さんらと同じ舞台に立つ…立っていいのかと自信がなかった。(プロ初年の)21年は一軍に上がれず1試合も投げられませんでしたから…(2軍で0勝5敗)。それでもファンの方は温かく声をかけてくれて支えてくれました。やっと2年目から形になったような気がします。

 岡本 僕も自分がヤマハファクトリーチームに合う器なのか分からなかったし不安もあったけど、やってみようという気持ちでいました。

 ─これまでで印象に残る試合は?

 高橋 去年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)ですね。偉大な先輩たちと過ごすことで意識が変わりました。各チームのエースがそろう場で、プレッシャーの中で投げていたら、自信がつきました。こんな大舞台でも勝てるピッチャーになりたいと目標が高くなりました。それまでは自分の成績や気持ちを考えていたのが、チームの中での責任を考えるようにもなりました。

 岡本 チームメートが全日本最高峰クラスで12回もタイトルを獲得している中須賀(克行)さんです。1年目は離されてしまうことも多かったですが、昨年は離れずについていけて、1回だけですが勝つことができた。その1勝が心に残っています。

 ─高橋さんは時速158キロの剛速球で知られ、岡本選手は300キロを超えるスピードを操っています。トップアスリートとして活躍するお二人は、どんなトレーニングをしていますか?

 高橋 トレーニングに正解はないですが、筋肉トレーニングを頑張って、速い球を投げようとして肘を痛めたこともあったので、ヨガを取り入れ柔軟な体作りを意識しています。試合の後に全身が疲れている感覚があれば、体全体を使う投球ができたなと思います。

 岡本 300キロから60キロにスピードダウンしてブレーキングする際に、大きなGがかかります。それに耐える体作りと、心拍数が高い状態が続く競技なので、心拍数を保った状態でのトレーニングをして常に冷静な判断ができるように取り組んでます。早朝の自転車トレーニングが日課です。

 ─今年の目標は?

 高橋 球場に集まってくださるファンの方々の声援は試合の流れを決めてしまうくらいの力があります。ドラゴンズファンの方に喜んでもらえる試合をすること。ビジターでも負けない力を発揮して日本一を目指します。

 岡本 ぜひサーキットでバイクの音やスピードを感じてもらいたい。最高峰のバトルを楽しんでもらい、最後は自分がチャンピオンになる姿を見せたい。

 ─夢を追いかけている子供たちにアドバイスを。

 高橋 野球は技術以外でも厳しい上下関係があり、たくさんの人が関わるので、その中で学ぶことがあります。諦めずに野球をやり続けてほしい。

 岡本 モータースポーツは日常では経験できない特別な時間を過ごすことができます。子供の時から大人と勝負して、大人の中で育つことで人としての成長はとても大きい。まずは、今を楽しんでもらいたい。

 ─お互いの印象は?

 高橋 もっと筋骨隆々かと思っていましたがイメージが違いました。これまでレースを見たことがないので観戦に行きたいです。

 岡本 大歓迎です。高橋選手はテレビで見るより大きい。今年は久しぶりに友人を誘って応援に行きます。

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