今季のST600を制した岡本の走り。ヤマハの51ガレージニトロレーシングに所属している
今季のST600を制した岡本の走り。ヤマハの51ガレージニトロレーシングに所属している
 全日本ロードレース選手権は計4クラスを開催する。「JSB1000」を頂点に、今季新設された「ST1000」、小排気量の「JGP3」、そして最多31台の年間エントリーを集めるのが「ST600」だ。地方戦やJGP3から移ってきた若手ライダー、大排気量クラスへのステップアップを目指す実力者ら、バラエティーに富んだライダーがひしめき合っている。タイヤメーカーの「ブリヂストン(BS)」が支えるST600の魅力とは─。

ST600は2015年からワンメーク

2020年のST600戦士(年間エントリーライダーのランキング順、年齢は23日現在)
2020年のST600戦士(年間エントリーライダーのランキング順、年齢は23日現在)
 ST600は、市販のスーパースポーツモデルのバイクで競われ、ブリヂストンの溝付きスポーツタイヤのパッケージは、一般道を走るユーザーに最も近いとして人気を誇る。創設は2001年だが、2015年からブリヂストンタイヤのワンメークとなってライダーの技量がより顕著に表れることになり、さらに注目を集めた。

 BSのワンメークとなった2015年のチャンピオンは横江竜司(ヤマハ)が獲得。翌16年はランキングトップの前田恵助(ヤマハ)が最終戦の予選でレコードタイムを記録するも決勝で転倒、初優勝した榎戸育寛(ホンダ)が大逆転で王座に就いた。そして翌17年に前田がリベンジを果たし悲願のチャンピオンに輝く。18年には実力者の小山知良(ホンダ)と若手の岡本裕生(ヤマハ)がタイトル争い、岡本が初のタイトルを獲得。19年は小山がその雪辱を果たした。

岡本が2年ぶりV

 今季は新型コロナウイルスの影響から大幅にスケジュールが変更になり、4戦の短期決戦。ランキングトップで最終戦(鈴鹿)を迎えたのは岡本だったが、同2位以下の小山、南本宗一郎(ヤマハ)、荒川晃大(ホンダ)、長尾健吾(ヤマハ)、阿部恵斗(ヤマハ)にもチャンスがあり、6人による最終決戦となった。予選トップは2年連続で荒川が獲得。決勝は2度も赤旗が出る波乱となり、赤旗終了でレースは成立した。チェッカーなき戦いを制したのは南本で、独走で2年連続の最終戦優勝、4位に入った岡本が2年ぶりにチャンピオンを獲得した。

 BSでタイトルを取った王者たちの活動は多種多様。15年の横江は、地元のスポーツランドSUGO(宮城県)でスポット参戦を続けており、榎戸はST1000へ、前田はJSB1000にスイッチした。ST600にとどまる小山は後輩ライダーを鼓舞している。2度タイトルを取った岡本は来季どこへ行くのか。その去就に期待が集まっている。来季も激戦は続き、変わらずブリヂストンタイヤがライダーたちの夢を支えて行く。