auトムスのGRスープラの横で笑顔を見せるGT500王者の坪井。コンビの宮田はF2テストのため欠席(多賀まりお撮影)
auトムスのGRスープラの横で笑顔を見せるGT500王者の坪井。コンビの宮田はF2テストのため欠席(多賀まりお撮影)
 スーパーGTの2023年シーズンを締めくくる年間表彰式「ヒーローズ」が1日、都内のホテルで開かれ、チーム関係者やシリーズパートナーら約350人が出席した。GT500クラスを制したauトムス(トヨタGRスープラ)は、宮田莉朋(24)が欠席する中、自身2度目の王者となった坪井翔(28)が、史上最多となる5度の王者に挑む決意を披露した。GT300クラス王者の埼玉トヨペット(同)は、吉田広樹(39)と川合孝汰(29)が喜びを分かち合った。(田村尚之)

 見慣れないスーツ姿でシャンパンを掲げる坪井が、いぶし銀のような輝きを放つ。GT500クラスのフル参戦5年目で2度目の王者。ロニー・クインタレッリが持つ最多タイトル記録の通算4度に向け、着実に迫りそうな雰囲気たっぷりだ。

 「チャンスがあれば、史上最多は狙いたいですよね。2回取るのも相当大変だったから、あと3回は並大抵のことじゃない。でも、取り方は分かっている」。淡々とした口ぶりの中に、確かな自信を漂わせた。

 今季は、開幕戦こそタイヤが外れるトラブルに見舞われて戦列を去ったが、逆にそのことでチームが結束。第2戦で優勝を飾ると、それ以降も入賞を重ね、最後に2連勝を決めて年間3勝という圧倒的な強さでタイトルを獲得した。

 坪井は「開幕戦以外は、やれることをやり尽くした。レースをやっていると何かしら悔いは残るものだが、今年は何一つやり残した感じはなかった。『これでタイトルを取れなければ仕方ない』と思えるほどだった」と振り返る。2人のドライバーの高い実力に、名門トムスのチーム力が加わり天下無双状態だった。

 コンビを組んだ宮田はスーパーフォーミュラ(SF)とのダブルタイトルを獲得し、来季からトヨタの育成プログラムで世界に羽ばたくことになった。今回の表彰式もF2のテスト参加で欠席。全く違う道を歩むことになった。

 「莉朋には世界で日本のレースのレベルの高さを証明してほしい」とエールを送る一方で、「僕もチャンスがあれば世界には行ってみたいが、それよりも日本で、日本の実力を世界に見せつけたい」と続けた。海外から有力ドライバーやチームが日本に参戦してきた際には、悠然と打ち破れる強さを磨くつもりだ。

 大きな目標を達成するには、まずは来季。宮田が抜けて新しい相棒になるが、「僕は言えませんが、きっと強いコンビになれると思う」と力を込めた。新たな伝説が始まる予感だ。