スーパーGT 鈴鹿300km23日決勝
開幕2戦で出遅れた日産GT−Rだが、鈴鹿ではここまで連続入賞のB−Maxが今季初勝利を 狙う(GTA提供)
開幕2戦で出遅れた日産GT−Rだが、鈴鹿ではここまで連続入賞のB−Maxが今季初勝利を 狙う(GTA提供)
 スーパーGTは第3戦「FUJIMAKI GROUP SUZUKA GT 300km RACE」(23日決勝)を迎える。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、開幕2戦に続き無観客での開催となるが、舞台は鈴鹿サーキット(三重県)に移る。GT500クラスはここまでの2戦でトヨタ・スープラ、ホンダNSXが勝利を分け合った。巻き返したい日産GT−Rは、開幕から連続入賞しているB−Maxの平手晃平/千代勝正組が、表彰台の真ん中をかけた戦いに挑む。

 トヨタ、ホンダに勝利を先越された日産が、鈴鹿での逆襲を狙う。苦戦模様のGT−R勢の中にあって、開幕から唯一連続入賞して気を吐くB−Maxの二人が、表彰台の真ん中を取りに行く覚悟を決めた。

 日産陣営に移籍して2年目を迎えた平手は腕を撫す。「鈴鹿では予選から良いポジションを狙えると感じている。今シーズンまだ上がれていない表彰台を目指したい」と力強く宣言。前戦の予選で12番手に終わったこと反省し、走り出しから積極的に攻める戦略だ。

 愛知県小牧市出身の平手にとって、鈴鹿は幼いころから慣れ親しんだホームコース。友人や支援者も多い。新型コロナの影響で、第3戦も無観客での開催となるため直接声援を受けられないが、特別な力を感じられるコースに変わりない。

 2年ぶりに復帰した同僚の千代も、鈴鹿に特別な思いを抱く。「個人的に好きなコース。GT300でも優勝したことがあり、GT500の初勝利を鈴鹿で飾れるように頑張る」と勇ましい。

 全体的なパッケージングが完全にまとまっていないGT−R勢は、2基目のエンジンを投入する後半戦から勝負をかける戦略を練っている。それでも地道な開発は実り、戦闘力は徐々に高まってきた。特別な鈴鹿を前にしたB−Maxの二人は、計画を前倒しする大駆けを思い描く。

セルモ起死回生狙う!! 石浦「しっかり挽回」

不本意な結果に終わった開幕2戦の借りを鈴鹿で返すセルモのトヨタ・スープラ(トヨタ提供)
不本意な結果に終わった開幕2戦の借りを鈴鹿で返すセルモのトヨタ・スープラ(トヨタ提供)
 開幕2戦で上位を占めたトヨタ勢はウエートハンディがかさみ、鈴鹿では我慢の戦いが予想される。そんな中、ここまで陣営の好調な波に乗りきれず、不本意なレースが続くセルモは起死回生の走りを狙っている。

 車体調整を詰め切れず2戦とも悔しい戦いを強いられたが、特に前戦は予想外の不振で7位が精いっぱい。シリーズの通算最多勝記録で歴代2位(19勝)の立川祐路も「思ったより苦しい状況で…。鈴鹿に向けて何とかクルマを改良したい」と漏らす始末だ。富士は通算9勝も挙げる得意なコース。そこで失速したことはショックだった。チームも不振の原因がなかなか特定できず、必死にスピード不足の理由を探っている状態だ。ただ、セルモは毎年タイトルを争ってきた名門チーム。このまま指をくわえているわけではない。村田淳一監督も「次は鈴鹿。コースが変わることで現状を打破したい」と力が入る。

 コンビを組む石浦宏明は「速さの面で課題が残り、チームとしてどうやっていくかを見直さなければ−。このままではいけない。しっかり挽回する」。何としても鈴鹿までに原因を突き詰め、再び強いセルモに返り咲くつもりだ。

野尻 前戦のリベンジ果たす

第2戦で取り逃がした今季初勝利に再チャレンジするARTAのホンダNSX
第2戦で取り逃がした今季初勝利に再チャレンジするARTAのホンダNSX
 鈴鹿で意地を見せたいのが、ARTAの野尻智紀だ。前戦の富士スピードウェイ(9日)はポールポジションを奪い、チーム、そしてNSXの今季初優勝に突き進んでいたが、同僚の福住仁嶺からバトンを受けた直後の36周目にまさかのスピン。入賞圏外に落ちて、全てを失った。

 「チームみんなの頑張りも知っていたし、絶対に勝ちたかった。タイヤも温まってきたので、調整して真っすぐ立ち上がれば…と思っていましたが、自分の読みがずれていました」

 野尻は自身のツイッターでやり切れない思いを明かす。一気に迫ってくる優勝したリアルはタイヤが十分に温まっていたが、ARTAはピットアウト直後でグリップしない冷えたタイヤ。防戦するのは難しかったが、チームのためにもトップを譲りたくなかった。

 開幕戦も予選2番手を奪いながら、レース中の車体調整が十分ではなく8位。その雪辱を果たすためチームとミーティングを重ね、第2戦には納得できるクルマに仕上げてきたが、またも流れをつかめなかった。

 それでも野尻は下を向かない。「取り返すチャンスはあるし、必ず取り返す。こんなことでくたばってたまるか。負けたくない」。鈴鹿はNSXと相性が良いコース。圧倒的な強さを見せつけ、腹の中にたまった悔しさを全て吐き出す。

阪口&小高 大駆け予感 GT300

 開幕2戦でJAF−GT規定で作られた車両が連勝したGT300クラスは、鈴鹿でも同じような展開が予想される。注目は第2戦で初のポールポジションを奪ったインギングの阪口良平/小高一斗組だ。乗り込むトヨタ86MCは鈴鹿のコース特性に合っており、再び大駆けの予感だ。

 ベテランの阪口は「僕は鈴鹿育ち。楽しみにしている」と語れば、小高も「レースペースが課題なことも分かった。鈴鹿ではどうセットアップしていくか−」と課題の克服に挑む。一発の速さはすでに身に付けており、あとは決勝でうまくタイヤを使える車体調整に仕上げられるかだ。

 一方、開幕戦を制した埼玉トヨペットの戦いぶりも気になる。第2戦でも6位に食い込みランキング首位を守り、トヨタ・スープラのウエートハンディは75キログラムに達した。チームを引っ張る吉田広樹は「あの重さは未知の世界。どんな動きになるか分からないし、このクルマで鈴鹿を走るのも初めて」と不安を隠せない。それでも開幕2戦でしぶとく戦っており、三たびマジックが起きるかもしれない。

 FIA−GT3勢ではARTAの高木真一/大湯都史樹組(ホンダNSX)、グッドスマイルの谷口信輝/片岡龍也組(メルセデスAMG)など実力派チームが虎視眈々(たんたん)。またも熱い戦いとなりそうだ。