第4戦のもてぎを制して生き上がるリアルのメンバー。第7戦の快勝を狙う(ホンダ提供)
第4戦のもてぎを制して生き上がるリアルのメンバー。第7戦の快勝を狙う(ホンダ提供)
 スーパーGTは正念場となる第7戦「フジマキグループMOTEGI GT 300km RACE」(8日決勝)を迎える。

 舞台は今年2度目の開催となる栃木県のツインリンクもてぎ。今大会からウエートハンディの削減措置が取られ、これまでの半分の重さで戦えるため、王者の行方を左右する大事な1戦となる。

 GT500クラスは2ポイント差に上位5台がひしめく超激戦。ウエートを搭載しない最終戦(29日決勝、富士スピードウェイ)に向け、どこのチームが抜け出すのか−。

燃料流量制限なし

もてぎで連勝を狙うリアルのNSX(GTA提供)
もてぎで連勝を狙うリアルのNSX(GTA提供)
 新型コロナ禍で7月に開幕した今シーズンも、残すは2戦のみ。ウエートハンディが半減されるもてぎは、燃料流量制限を受けるGT500のチームもなく、タイヤ選択を含めたクルマの仕上がりで雌雄が決する。横一線に並ぶ上位5台は、大混戦から抜け出すために全エネルギーを注ぐ。

 優勝候補の筆頭が、首位から2ポイント差のランク4位で迎えるリアルの塚越広大/ベルトラン・バゲット組(ホンダNSX)だ。第2、4戦を制して首位に立ってからも粘り強く戦い、連続入賞してヤマ場を迎えた。

 エースの塚越は「もてぎで優勝して、ポイントをしっかり取れるよう頑張る」と力が入る。今季からフロントエンジン/リア駆動のFRになったNSXの車体調整をいち早くつかんだアドバンテージを生かし、9月の第4戦に続く、もてぎ連勝に狙いを定める。

 前戦の鈴鹿で最後尾スタートから大逆転Vを決めたニスモの松田次生/ロニー・クインタレッリ組(日産GT−R)は勢いがある。ランク3位まで浮上し、5年ぶりのタイトルを見据える位置に盛り返した。

 自身が持つ最多勝記録を22勝に更新したばかりの松田は、静かな闘志を燃やす。「簡単ではないが、チームとドライバーがやるべきことを全うするだけ」。前戦は上位勢がウエートで苦しむ中での勝利。ライバルと同条件となるもてぎは混戦必至だが、力を出し切ることだけを考える。

 開幕からしぶとく入賞を続けたルーキーの大嶋和也/坪井翔組(トヨタ・スープラ)は、作戦ミスが響いた前戦はノーポイント。何とかランク首位は守ったが、得意な富士での最終戦に向け、もてぎで上位進出を狙う。

 トムス勢のKeePerはニック・キャシディの欠場が決まり、平川亮/山下健太の新コンビで挑む。1ポイント差でランク2位の平川は「残り2戦を勝ってチャンピオンを取る」と勇ましい。auの関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ組も2ポイント差の同5位。スープラとの相性が良い富士での最終戦に有利な状況で乗り込むため、もてぎでは優勝争いに絡みたい。

 スープラ3台に、NSXとGT−Rが1台ずつの上位5台。ウエートの軽い他車からの突き上げも厳しいだろうが、得手不得手を乗り越え、もてぎで混戦を抜け出すのがタイトルへの条件だ。

奇跡へ・・・下克上の戦いに挑む

 もてぎで起死回生の一発を決めたいのが、クニミツの山本尚貴/牧野任祐組(NSX)だろう。前戦はピットロード入り口で追突され、無念のリタイアに追い込まれた。ランク首位との9ポイント差は変わらないが、同7位に後退した。

 山本は「残り2戦を強い気持ちで戦い、絶対に勝ってチャンピオン争いに残りたい」と宣言。なかなか決まらなかった車体調整も上向いてきた。もてぎを制し、2年ぶりのタイトル奪還への足掛かりを築きたい。

 第5戦を制したサードの中山雄一(スープラ)も踏ん張りどころ。同僚のヘイキ・コバライネンが新型コロナ禍で開幕2戦を欠場し、中山だけが首位から8ポイント差のランク6位でタイトルの可能性を残す。

 「もてぎでは何が何でもタイトル争いに生き残れる結果を残したい」と必勝態勢だ。

 セルモの立川祐路/石浦宏明組(スープラ)は最後のチャンス。調子に乗りきれない今季は11ポイント差のランク8位。もてぎで今季初勝利を挙げられれば、タイトル争いに食らいつける。石浦は「まだ可能性はある。もてぎにかけたい」と大駆けを誓った。

 奇跡をたぐり寄せたい3台が、下克上の戦い挑む。

【GT300】勝つのはランク首位レオンか、それともゲイナーか

 GT300のタイトル争いは、ランク首位を走るレオンの蒲生尚弥/菅波冬悟組(メルセデスAMG)が頭ひとつ抜けて得意なもてぎに挑む。2018年に初王者を決めた験の良いコースで、今年の第4戦を含めたこの3年で2勝&2位。タイトル奪還の足場を固めるには絶好の機会だ。それでもチームは緊張感を高める。蒲生が「一層気を引き締めて」と言えば、黒澤治樹監督も「ミスなく戦うには何が必要か、自問自答しながら挑みたい」。ここまで続けた全戦入賞を最後まで貫き、ライバルに付け入る隙を与えない覚悟だ。

 10ポイント差のランク2位につけるゲイナー11号車の平中克幸/安田裕信組(GT−R)は、前戦の鈴鹿でセーフティーカー(SC)のタイミングが悪く表彰台を逃した。安田は「完璧なレースをしていただけに残念で悔しい。運も実力のうちと思うしかない」と悔やむ。車両的には不得手なもてぎというが、第4戦では100キロ積んで6位に食い込んだ。鬱憤(うっぷん)晴らしの快走で、逆転タイトルに迫りたい。

 昨季王者で、ランク3位のARTAはピンチに追い込まれた。エースの高木真一がスーパー耐久第3戦でクラッシュして負傷、もてぎ戦の欠場を余儀なくされた。代役にF2で活躍した松下信治を起用し、大湯都史樹とのコンビで苦境を乗り切ることになった。