GT300
しぶとく戦い抜く覚悟を決めたレオンのメルセデスAMG
しぶとく戦い抜く覚悟を決めたレオンのメルセデスAMG
 特徴の異なるスーパースポーツカーがひしめくGT300クラスは今年も混戦必至だが、レオンの蒲生尚弥(31)/菅波冬悟(25)組(メルセデスAMG)が虎視眈々(たんたん)と3年ぶりのタイトル奪還を狙う。黒澤治樹監督(43)がゼロからチームを立ち上げて9年目。押しも押されもせぬトップチームに成長した。ライバルとなるシリーズ独自の規則で作られた車両がやや有利な様相ながら、絶対にミスを犯さない戦い方で再び頂点を奪い取る決意だ。

蒲生「開幕戦は表彰台狙っていく」菅波「安定した成績残す」

悲願の初タイトルに挑む埼玉トヨペットのトヨタGRスープラ
悲願の初タイトルに挑む埼玉トヨペットのトヨタGRスープラ
 今年もブラックメルセデスがレースで存在感を放つ。スピード面ではシリーズ独自の規則でつくられたライバル勢にやや分がある状況は続くものの、レオンの黒澤監督は国際規格のGT3車両で愚直に戦い、頂点に登り詰める覚悟だ。

 「自分たちのスタイルはミスなく戦うこと。ライバルのようなビッグポイントはなかなか稼げないだろうが、しぶとく戦い抜いていく」

 絶対に負けないという信念がみなぎる。往年の名ドライバーだった父・元治さんから受け継いだチームを母体に一からつくり上げ、2013年からシリーズに参戦。ドライバーとして戦いながら18年には初タイトルを獲得するなど、強豪ひしめくGT300クラスの覇権を争うまでに育て上げた。

 「オーナー(遠藤大介氏)から、組織づくりや運営方法まで教えてもらった。レーシングチームでも、組織がしっかりしていなければ好結果は残せないし、失敗した時の修正力も違う」。実業家のチームオーナーから組織づくりのイロハを学び、それを実践してきて今がある。

 エースの蒲生は「開幕戦には表彰台を狙っていくが、タイトル奪還に向けてコンスタントにポイントを積み重ねたい」と、初タイトルを獲得した18年をなぞる全戦入賞を狙う。在籍3年目を迎える菅波も「レースだから優勝を狙うのは大前提だが、チャンピオンを取るため安定した成績を残したい」。チームメンバーの思いも一つだ。

 「しっかりクルマをつくり込み、昨年取れなかった悔しさを晴らすためにも(タイトルを)取りにいきたい」と黒澤監督。乗り込むメルセデスAMG、装着するブリヂストンタイヤの力を最大限生かせるクルマをつくり上げ、チャンピオンに突き進む。

昨季2勝埼玉トヨペット 今年こそ初タイトル

吉田堅実な走りでつかみ取る

 埼玉トヨペットの吉田広樹/川合孝汰組(トヨタGRスープラ)が、昨季逃した初タイトルをかけた戦いに臨む。

 「チームのみんながチャンピオンを取りたいと思っている。まずは取りこぼしをなくしたい」。チームをけん引する吉田はそう宣言。昨季は2勝を挙げたものの、未入賞も3戦あり、今季の課題に堅実さを挙げた。

 相棒の川合も安定感をテーマに掲げる。「ポイントを落とさずシーズンを戦い、有利な状況で最終戦を迎えたい。最後は得意な富士ですから」。確実に入賞を積み重ね、スープラと相性が良い最終戦の富士でタイトルを決める筋書きだ。

 昨季は共同開発したスープラを唯一導入し、そのスピードを生かして戦ったが、今季は他チームも導入して全3台に増えた。吉田は「負けられない。うちは2年目ですから。これで負けたら『昨年はクルマが良かっただけ』と言われてしまう」と気を引き締めた。

 チームは2017年にシリーズ参戦を始めた新興勢力。「名門と呼ばれるチームは、どんな時でも上位でフィニッシュする。うちもそうなりたい」と吉田。初入賞で喜んだチームも、ポールポジションを獲得し、初勝利を挙げて力をつけた。狙うは初タイトルのみだ。

本山300でも存在感見せる

レジェンドが3年ぶりシリーズ復帰

 GT500で3度の王者(2003年、04年、08年)を獲得した本山哲が、3年ぶりにシリーズ復帰する。ゼネラルマネジャーも兼務する「チームルマン・ウィズ・モトヤマレーシング」から、アウディR8LMSでGT300クラスに参戦。「激戦のこのクラスが甘くないことはテストで実感したが、チャレンジャーとして一度は表彰台の真ん中に立ちたい」と意欲的にテストに取り組んできた。

 3月4日には大台を迎え、「50歳という数字を見ると、驚きしかない」と苦笑い。それでも、しっかりと絞り込んだ体は年齢を感じさせず、安定してタイムを刻む姿は往年のまま。GTデビューとなる相棒の片山義章をしっかりと導きながら、激戦の300でレジェンドの存在感を放つ。

昨季王者KONDO 今年も速さ健在

 ○…昨季クラス王者を獲得したKONDOの藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デオリベイラ組(日産GT−R)は、今年も手ごわそうだ。岡山の公式テストでは集団に埋もれたが、富士の公式テストでは2日連続のトップタイムをマーク。デオリベイラは「クルマは好感触。タイムを出しにいったわけでもないのに。特にロングランが良いね。タイヤのタレも確認できた」と満足げ。開幕戦はしぶとくポイントを稼ぎ、第2戦の富士で大駆けを狙っていそうだ。

◆規則変更
 ★GT300の予選Q1は全戦2組制へ 昨季まではサーキットによってはGT300の予選Q1をA、Bの2組に分けて争ったが、今季から規則で全戦2組制となった。昨季までの規則では「基本的にQ1は全車出走」とされていた。コース上の混雑で、満足なアタックができない不公平を回避するのが目的。