スバルは新型BRZを投入した節目のシーズンで初戴冠を狙う(GTA提供)
スバルは新型BRZを投入した節目のシーズンで初戴冠を狙う(GTA提供)
 GT300クラスの初タイトルを狙うスバルが、ランキング首位で最終戦(28日決勝、富士スピードウェイ)に臨む。2009年にR&Dスポーツと提携して参戦を始め、今年が13年目。これまでは11、13年のランク4位が最高だったが、新型BRZを駆る井口卓人(33)/山内英輝(33)組に王者奪取を託した。ライバルは6ポイント差のランク2位につけるKONDOの藤波清斗(26)/ジョアオ・パオロ・デオリベイラ(40)組(日産GT−R)。昨季王者の意地にかけ、最後まで食らい付く。

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第5戦で今季初勝利を喜ぶスバルの(左から)小澤正弘総監督、井口、山内。最後の富士でも再現する(GTA提供)
第5戦で今季初勝利を喜ぶスバルの(左から)小澤正弘総監督、井口、山内。最後の富士でも再現する(GTA提供)
 やっと頂点に立つチャンスが巡ってきた。シリーズ参戦13年目を迎えたスバル陣営が、これまでの努力を実らせる初タイトルをつかむため、雌雄が決する最終戦に強い気持ちで挑む。

 加入7年目の山内は、「ミスが出ないようチーム全体で力を付け、最終戦は勝利を取りにいきたい」と宣言。じわりと迫ってきたライバルの動きに惑わされず、有終Vを飾って文句なしの戴冠を思い描いた。

 前戦のツインリンクもてぎでも、決められる可能性はあった。75キロもの「サクセスウェイト(SW)」を搭載しながら、コースレコードを更新して予選2番手を獲得。予選までは車両の熟成度、そして勢いの違いを見せつけた。

 だが、レースではやや不運な展開に見舞われて6位でゴール。ライバルのKONDOに先着を許し、ポイント差を詰められた。レース後半に激しい3番手争いをしている最中、GT500車両との接触を避けた井口がバランスを崩し、4番手から順位を落としたのが響いた。

 レース後の井口は「500との駆け引きでスピン。自分のミスを反省したい。この悔しさは最終戦にぶつけたい」と雪辱を誓った。レースが進んでブレーキ的にも厳しい状況で、KONDOやJLOC88号車との接近戦を繰り広げていた時に現れたGT500車両。巡り合わせが悪かった。

 ただ、これも大きな成果を生み出すためのステップと考える。山内は「ささいなミスでも順位が大きく落ちる。ピット作業も含め、チーム全員が気を引き締めて臨みたい」と、大事な一戦に向けた糧にするつもりだ。

 好材料もある。山内はエンドレスから参戦するスーパー耐久の最終戦(14日=岡山国際サーキット)で、不運をはね返してSTZクラスの3連覇を決めた。「この波に乗って、スーパーGTも守りに入らず、ガンガン攻めていきたい」。挑戦者の姿勢を貫きながら、スバルBRZが初めての王者に登り詰める。

BRZとKONDO、一騎打ち

 ランキング5位につけるゲイナー11号車の平中克幸/安田裕信組(GT−R)まで、計算上は逆転王者の可能性がある。ただ、ゲイナーはポールtoウインを決め、BRZが無得点、KONDOが5位、ARTAが3位以下に終わる厳しい条件が付く。同4位で臨むMaxレーシングの三宅淳詞/堤優威組(トヨタGRスープラ)も2位&PP以上の成績を残し、上位勢の脱落待ち。事実上BRZとKONDOの一騎打ちで、展開次第でARTAにチャンスが訪れる状況だ。

KONDO、逆転シリーズ連覇に気合

最終戦でBRZを逆転し、シリーズ連覇を狙うKONDOの日産GT−R(GTA提供)
最終戦でBRZを逆転し、シリーズ連覇を狙うKONDOの日産GT−R(GTA提供)
 KONDOが土壇場の逆転シリーズ連覇に気合満点だ。藤波は自身のツイッターに「可能性が1%でもあるなら100%に変える。すべては自分次第。絶対に諦めない」と決意表明。何としても逆転することを誓った。前戦もてぎは予選7番手から、タイヤ無交換作戦を決めて3位まで駆け上がった。ランク首位との差も12ポイントから6ポイントに短縮し、昨季は1勝&表彰台2回と得意な富士での最終戦で大逃げを思い描く。相棒のデオリベイラも「あと一歩のところまできた。自信を持って最終戦に挑みたい」と力を込めた。

ARTA、目の前のレースに集中

2019年以来となる勝利に集中するARTAのホンダNSX(GTA提供)
2019年以来となる勝利に集中するARTAのホンダNSX(GTA提供)
 首位から10ポイント差のランク3位につけるARTAの高木真一/佐藤蓮組(ホンダNSX)も、逆転王座の可能性を残す。ただ、勝利を挙げ、なおかつBRZが表彰台圏外に落ちるのが条件だ。そのためか、チームは最終戦の目標を、2019年の第7戦以来となる勝利に定めた。前戦もてぎはトップを走りながら、同じリア2本交換のヒトツヤマに逆転勝利を奪われ、今季2度目の2位止まり。高木は「次こそはしっかり勝てるように準備したい。楽しみにしてほしい」と自信たっぷり。19年以来のタイトル奪還を懸け、まずは目の前のレースに集中する。