実力伯仲27チームしのぎ削ったスーパーGT2022年シーズン!!
スーパーGTのGT300クラスは、実力伯仲の27チームがしのぎを削る大激戦区だ。2022年シーズンも11月上旬の最終戦(モビリティリゾートもてぎ)まで僅差のタイトル争いが続き、レース中に二転三転する大荒れの展開になった。最後は19位ゴールに終わったKONDOの藤波清斗(27)/ジョアオ・パオロ・デオリベイラ(41)組(日産GT−R)が、2年ぶりの王者奪還を決める驚きの結果に終わった。
積み重ねてきた努力が最後に実った。最終戦のレース中にタイヤが外れるアクシデントに遭遇したKONDOは、一度は失意のどん底に落ちるものの、ライバル勢の失速にも助けられて2年ぶりのタイトル奪還を果たした。
レースを終えた直後の藤波は「諦めなければこうやってチャンピオンが取れるんだって、と改めて思った。奇跡ですよ」と興奮気味。黙々と走ったデオリベイラは「ドライビングに集中していたので、何が起きたのか分からなかった。状況を理解したら、喜びが込み上げてきた」とうれし涙を流した。
最終戦はGT300を象徴するかのように、荒れに荒れた。予選で2・5ポイント差のランク2位につけていたR&Dスポーツの井口卓人/山内英輝組(スバルBRZ)が、まさかのクラッシュを喫して16番手に後退。同首位のKONDOはがぜん有利な展開になったが、決勝では4番手走行中に右フロントタイヤが外れて圏外に落ちた。
その時点でゲイナー10号車の富田竜一郎/大草りき組(GT−R)がランク首位に立つも、タイヤの摩耗が進み、残り10周を切って後方から追い上げてきた車両に次々と抜かれて脱落。2位ゴールで逆転王者に届いた埼玉トヨペットの吉田広樹/川合孝汰組(トヨタGRスープラ)も3位に後退し、KONDOに勝利の女神がほほ笑んだ。
チームを率いる近藤真彦監督は「自信を持ってレースに臨んだが、とんでもないことが起きてしまって…。まさに天国から地獄でした」とまさかのアクシデントを振り返る。だが、一度は諦めたタイトルが、同じヨコハマタイヤを履く車両が順位を上げたことで転がり込み、「やっぱりレースは自分たちだけでやっているわけじゃない」と感無量のようすだった。
劇的な終わり方でタイトルをもぎ取ったKONDOだが、それまでのプロセスが最終的に好結果をもたらした。今季も開幕戦を制し、第3戦でも3位表彰台に上るなど序盤に好成績を残したため、獲得ポイントの3倍の重りを積む「サクセスウェイト」が一気にかさんだ。それでも99キロを積んだ第4戦で6位に食い込み、上限の100キロに達した第6戦でも4位。ペナルティーで順位を下げた第5戦以外は、着実にポイントを積み重ねたチームを挙げた地道な努力が最後に生きた。
タイトル奪還を狙っていたチームはシーズン初めに「絶対に毎戦1ポイントでも持ち帰ろう」という目標をたてた。結果的に2戦で取り逃がしたが、最後まで諦めないで戦う姿勢を貫いた。
藤波は「(重りが)増えていく一方で、フラストレーションのたまるレースが多かった。その中でヨコハマさんを始め、チームの皆さんや近藤監督も、条件が悪い中で必死に取り組んでくださった」。チームを挙げ、たった一つの目標に突き進んだKONDOの執念が、栄冠を呼び寄せた。
レースを終えた直後の藤波は「諦めなければこうやってチャンピオンが取れるんだって、と改めて思った。奇跡ですよ」と興奮気味。黙々と走ったデオリベイラは「ドライビングに集中していたので、何が起きたのか分からなかった。状況を理解したら、喜びが込み上げてきた」とうれし涙を流した。
最終戦はGT300を象徴するかのように、荒れに荒れた。予選で2・5ポイント差のランク2位につけていたR&Dスポーツの井口卓人/山内英輝組(スバルBRZ)が、まさかのクラッシュを喫して16番手に後退。同首位のKONDOはがぜん有利な展開になったが、決勝では4番手走行中に右フロントタイヤが外れて圏外に落ちた。
その時点でゲイナー10号車の富田竜一郎/大草りき組(GT−R)がランク首位に立つも、タイヤの摩耗が進み、残り10周を切って後方から追い上げてきた車両に次々と抜かれて脱落。2位ゴールで逆転王者に届いた埼玉トヨペットの吉田広樹/川合孝汰組(トヨタGRスープラ)も3位に後退し、KONDOに勝利の女神がほほ笑んだ。
チームを率いる近藤真彦監督は「自信を持ってレースに臨んだが、とんでもないことが起きてしまって…。まさに天国から地獄でした」とまさかのアクシデントを振り返る。だが、一度は諦めたタイトルが、同じヨコハマタイヤを履く車両が順位を上げたことで転がり込み、「やっぱりレースは自分たちだけでやっているわけじゃない」と感無量のようすだった。
劇的な終わり方でタイトルをもぎ取ったKONDOだが、それまでのプロセスが最終的に好結果をもたらした。今季も開幕戦を制し、第3戦でも3位表彰台に上るなど序盤に好成績を残したため、獲得ポイントの3倍の重りを積む「サクセスウェイト」が一気にかさんだ。それでも99キロを積んだ第4戦で6位に食い込み、上限の100キロに達した第6戦でも4位。ペナルティーで順位を下げた第5戦以外は、着実にポイントを積み重ねたチームを挙げた地道な努力が最後に生きた。
タイトル奪還を狙っていたチームはシーズン初めに「絶対に毎戦1ポイントでも持ち帰ろう」という目標をたてた。結果的に2戦で取り逃がしたが、最後まで諦めないで戦う姿勢を貫いた。
藤波は「(重りが)増えていく一方で、フラストレーションのたまるレースが多かった。その中でヨコハマさんを始め、チームの皆さんや近藤監督も、条件が悪い中で必死に取り組んでくださった」。チームを挙げ、たった一つの目標に突き進んだKONDOの執念が、栄冠を呼び寄せた。
ルーキー大草来年の飛躍誓う ゲイナー逆転王者逃し3位
ゲイナー10号車は、指先がかかっていた王者がするりと逃げていった。KONDOの思わぬ失速で大逆転の目が出たものの、戴冠できる5位以内のゴールはかなわなかった。
後半を担当した富田は8位まで下がったものの、持てる力を全て出し切った。自身は第7戦の欠場で王者の権利はなかったが、新人の同僚、大草のため必死の防戦を繰り広げた。「とにかく『悔しい』の一つだけ。でも、やれることは全てやり切った」。3番手でバトンを受けるも、燃料的に厳しく燃費走行を強いられ、最終盤はタイヤの摩耗にも苦しんだ。
ルーキー王者の可能性もあった大草は「一瞬、夢を見させてもらいました。今年はたくさんの経験を積ませてもらったので、来年爆発させます」とさばさば。海外レースの経験も豊富な大先輩と組んだことで、多くの事を学んだ。第5戦ではポールポジションも獲得し、富田が欠場した第7戦はチームを引っ張る責任も果たした。ランキングは3位に終わったが、この1年はこれからのレース人生の糧となる。
後半を担当した富田は8位まで下がったものの、持てる力を全て出し切った。自身は第7戦の欠場で王者の権利はなかったが、新人の同僚、大草のため必死の防戦を繰り広げた。「とにかく『悔しい』の一つだけ。でも、やれることは全てやり切った」。3番手でバトンを受けるも、燃料的に厳しく燃費走行を強いられ、最終盤はタイヤの摩耗にも苦しんだ。
ルーキー王者の可能性もあった大草は「一瞬、夢を見させてもらいました。今年はたくさんの経験を積ませてもらったので、来年爆発させます」とさばさば。海外レースの経験も豊富な大先輩と組んだことで、多くの事を学んだ。第5戦ではポールポジションも獲得し、富田が欠場した第7戦はチームを引っ張る責任も果たした。ランキングは3位に終わったが、この1年はこれからのレース人生の糧となる。
連覇ならず2位 スバルBRZ
〇…スバルBRZは連覇を果たせず、悔しいランク2位。最終戦は予選のクラッシュが響き、決勝でもトラブルに見舞われるなど流れをつかめなかった。井口は「2年連続のチャンピオンに向けて良い流れだったが、アクシデントで狂ってしまった。でも、ポールポジションを取りにいった結果。来年につなげていきたい」と前を向く。予選Q2でクラッシュした山内は、それまで今季4度のポールを獲得していた名手。逆転王者に向けて5度目を狙い、最終コーナーまでは自己ベストをつなぐ快走だった。最後に味わった悔しさは、必ず来年に生かす。
力は出し切った 埼玉トヨペット
〇…ランク首位に対し15ポイント差で最終戦に臨んだ埼玉トヨペットの吉田広樹/川合孝汰組(トヨタGRスープラ)は、奇跡の大逆転にはあと一歩及ばなかった。ランク上位2台が無得点に沈んだため、2位ゴールなら栄冠をつかめたものの、3位でチェッカー。終盤に踏ん張った吉田は「全周、全力で走ったが、その全力が足りず、2位を逃したのが悔しい」と唇をかんだ。ただ、ペースが上がらない中、戦略と素早いピット作業で予選9番手から表彰台。待望の初タイトルには届かなかったが、力は出し切った。