果敢に攻める津田拓也。ヘルメットはたこ焼きをイメージ?
果敢に攻める津田拓也。ヘルメットはたこ焼きをイメージ?
 鈴鹿8時間耐久ロードレース(8耐)の第1回大会から参戦を続けているヨシムラ。熱狂的なファンを持つチームのエースライダーに大抜擢された津田拓也は、大役を果たしポールポジション(PP)争いを繰り広げ2番手を獲得、決勝でも大躍進で2位表彰台に貢献。レースを終えた今の心境を聞いた。(聞き手=佐藤洋美)

      ◇    ◇    ◇
 −ヨシムラのエースライダーとして8耐に挑む気持ちは特別のものがありましたか?

 「ホンダが速いのは分かっていたので、そこにきっちりとくらいついてチャンスを待とうと思っていました。勝負できるところにいないと勝つことが出来ないので、そこは、確実に行かなければと思っていましたね。ヨシムラの目指すものは優勝しかないので…」

 −スタートライダーは緊張しましたか?

 「かなり緊張しましたね。やっぱり、大舞台の8耐ですし、ヨシムラのスタートライダーを務めるプレッシャーがありました。あの時間が一番路面温度も気温も高かったと思います。想定していたよりタイヤの消耗を感じて、激しい挙動が起きてしまってペースが上げられなかった。それは、反省としてあって、あの状況に合わせたセッティングがきっちりと出来ていなかったということですから…。でも、挽回できると思っていました」

 −青木宣篤選手のピットロードでのスピード違反でピットストップのペナルティー。J・ブロックスの転倒と波乱が続いた。

 「宣篤さんのペナルティーは不運というか…。アクセルを開けた一瞬で…。本人もわかっていて戻しているので…。とても残念でしたが、それでも、諦める気持ちはヨシムラにはなかったので、かえって行くぞって気持ちが高まりました。ブロックスも挽回しようとしていての転倒でした。ピットインせず走ってくれましたから、頑張って追いつくぞって、それしかなかったですね」

 −アナウンスでは「津田転倒」と叫んでいたので、津田選手だと思っているファンも多かったと思います。

 「僕はチームハウスにいてモニターを見ていて…。津田転倒も聞こえたんですけど…。俺はここにいるし、違うしと思っても、どうすることも出来なかったですね。僕のヘルメットはかなり特徴があるので、気が付いて欲しいなと思っていましたけど。ライダー交代でピットに出て行ったら、やっと気が付いてくれた」

 −ヘルメットの模様はたこ焼きって本当ですか?

 「たこ焼きをイメージしています。どうして? って聞かれても意味は特にないんです」

 −転倒で割れてしまったスクリーンのまま、走行を続けたんですよね。

 「バイクにしがみついているだけでもたいへんでした。取り換えて欲しかったですけど、チームの方針が『行けぇ〜』でした。懸命に走って、とにかく、つないで行こうとそれだけを考えていました」

 −初のヨシムラでの8耐でしたが、ヨシムラらしさを感じることはありましたか?

 「ピット作業では、スタッフ全員が遅れを取り戻そうとする気合をビシビシと感じていました。スタッフ全員が常に攻めの体制でいました。その一員として戦えたことがうれしかったですね」

 −初めての表彰台は如何でしたか?

 「想像以上に気持ち良かったですね。2位でこれだけ気持ちいいんだから、勝ったら、どんなだろうって思いました」

 −アドバイザーの辻本さんが津田選手の成長を褒めていました。

 「青木さんからはマシンのセットアップの進め方ですね。うまくバイクの症状を伝える、伝え方を教えてもらいました。同じマシンに乗っているので、そういう言い方をするのかと納得することが多かった。もちろん、8耐に向けてのトレーニングなども含めて教えてもらったことはたくさんありました。ブロックスは清成(龍一)さんと同じBSB(英国スーパーバイク選手権)を戦っているライダーですから、大排気量の乗り方では経験豊富なので、ライディングで気が付かせてもらうことが多かったのですね」

 −予選ではPPを取ることは出来ませんでしたが2分6秒台にいれる大躍進でした。

 「8耐で大事なのはアベレージですが、ライダーとしてはタイムにもこだわりたい。8耐で誰が1番速いんだよって皆が思っている。だから狙っていました。1番ではないので喜んではいられないけど、6秒台を記録出来たのはうれしかったですね。ヨシムラに来て、6秒の世界を見ることが出来た。それは、今まで自分が知らなかった世界です。いいタイムが出るとチームの雰囲気が一気に変わります。ものすごく喜んでくれました。そういう意味でも、これからも一発の速さも大事にしていきたいと思いました。8耐PPはなんとしても欲しいですね」

 −気になるライダーがいましたか?

 「アメリカのケニーさんのところでトレーニングを一緒にした巧(高橋)は、気にしています。巧と走った1時間目、負けたのが相当悔しかった。この悔しさを1年間持ち続けたいと思っています。今年ヨシムラでの8耐を経験して取り組み方や準備の仕方がわかった。来年は同じミスをしない。今年の経験を無駄にせず、来年は優勝を狙いたい」

 −高橋選手は634mのスカイツリーに登って願掛けしたのが勝因だと語っていましたよ。

 「じゃ、僕は、来年12mに登ります」

 −低くないですか?

 「でもヨシムラのゼッケンは12なので…。いずれにせよ、来年も巧と勝負がしたい。今度は負けません」

 −次は全日本SUGO戦です。100マイルというセミ耐久で、ひとりでもふたりでも参加可能のレギュレーションですが、津田選手は単独参戦ですか?

 「そうですね。ペアライダーの話は出ていません。チームからは、いっぱい走れて、いい勉強になると言われていますので、ひとりで頑張ります。今季2勝目を飾れるように、しっかりトレーニングして挑みます」