初のトップ10トライアルで快挙
エースライダーの貫禄も充分
ヨシムラのエースライダーとしてトップ10トライアルではPPを獲得するスーパーラップを刻んだ津田拓也(カメラ=中森麻未)
ヨシムラのエースライダーとしてトップ10トライアルではPPを獲得するスーパーラップを刻んだ津田拓也(カメラ=中森麻未)
 今年、60周年を迎えたヨシムラのエースライダー津田拓也は、鈴鹿8時間耐久ロードレース(7月27日決勝=三重県・鈴鹿サーキット)で、スズキのモトGP開発ライダーを務めるR・ドゥプニエ、11年の8耐でヨシムラとして2位表彰台に入った経験もある英国スーパーバイクのJ・ウォーターズとともに参戦し、初のポールポジション(PP)を獲得、決勝は2位。「悔しいが納得している」と語る津田の心境を聞いた。(聞き手=佐藤洋美)

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 −ヨシムラ60周年ということで、例年になく注目度が高ったでですね

 「注目はレジェンドチームで、僕たちは地道に頑張ろうとしていました」

 −今年は昨年とは違いエースライダーの重圧があったと思いますが

 「昨年は青木(宣篤)さんがいて心強かったのですが、今年は自分がしっかりしないといけない立場で、緊迫感を持っていました」

 −その姿勢が初の8耐PPとなった

 「昨年は天候不順により計時予選だったので、僕にとっては初のトップ10トライアルでした。走りだすときにはの路面温度が50℃以上に上がっていて、実際タイムを出せるとは思っていなかったので、自分でもびっくりでした」

 −ライバルのJ・レイ(ホンダ)のタイムを塗り替え、2連続8耐PPの中須賀克行(ヤマハ)を退けてのPP

 「僕の8耐参戦は10回目になります。ヨシムラで走らせてもらえるまではプライベーターとしてトップ10に出ること自体が憧れ。ましてや、そこでPPなんて夢のようで、自分で『すげぇ〜』って驚きました」

 −走る前は、すごい緊張だったでしょう

 「レイのタイムを見て、負けないぞって気合が入っていましたね。緊張はなかった。走りながら、アプローチを工夫して、自分なりのベストな走りが出来たのがタイムにつながったと思います」

 −素晴らしいですね

 「今年は世界のトップライダーが多数参戦した8耐だったので、そこでPPを獲得出来たのは意味があるというか、別格というか…。とにかく大事だと思っていたので、めちゃくちゃうれしかったです。朝フリーでは全然ダメで、セッティングを思いっきり変えて、新しいトライで走りました。もう一回やってみろと言われても出来ないです」

 −昨年はヨシムラ1年生で、心配していた人も多かったと思いますが、今年はエースライダーとしての貫禄を感じました

 「ありがとうございます。青木さんや辻本さんの指導というか、しごいてもらったことが大きい。昨年の8耐から10kg体重を絞りました。昨年までは仕事をしながらのレースで、トレーニングをしたことがなかった。今はトレーニングが中心の生活を送らせてもらっています」

 −レース序盤の青木さんの転倒ですが

 「正直、レースであんなに動揺したことはなかった。どうしようって…。僕がどうしようって、どうしようもないんですが…」

 −レジェンドチームのシュワンツさんや辻本さんの現役時代の走りは知っていますか?

 「子供の頃、シュワンツヘルメットにシュワンツデザインのツナギで走っていました。辻本さんの活躍も知っています。町の本屋さんでヨシムラ50周年の本を買って眺めていましたから。本に出ている人たちが、自分のまわりにいるのは、本当に不思議な気持ちがします」

 −決勝は残念ながら2位

 「ライトがつかないというトラブルで修理に40秒ストップ。それでトップ争いから遅れてしまいました。巧君(高橋)と勝負したかったのだけど、届かなかった」

 −今年の8耐で得たものはありますか?

 「ジョシュやドゥプニエは、8耐でチームに合流して、すぐにタイムを出していました。その順応性や、合わせられる適応性、ライダーの強さは、そこにあるなと気が付かせてもらいました。それを、すこし生かせたことがPPにもつながったと思います」

 −それを全日本に

 「全日本後半戦に生かしたいと思っています。今年は、まだ、勝っていないので、残り全部を勝つつもりで行きます」