チーム提供
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 2022年は全4戦でシリーズチャンピオンが争われた世界耐久選手権(EWC)。最終戦ボルドール24時間耐久(9月17日〜18日)でF.C.C. TSR Honda France(ジョシュ・フック/マイク・ディメリオ/アラン・テシェ)が4位に入り、2度目のタイトルを獲得した。第3戦鈴鹿8時間耐久(8月7日)で、レギュラーライダーのジーノ・リア選手がクラッシュを喫して戦線離脱するなど、波乱の今シーズンを乗り越えた藤井正和監督に聞いた。

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 −タイトル獲得の要因は?

 「今年の目的をタイトル奪還と定め、昨シーズンオフからそれに向けて持てる資源を集中し、振り向けてきた。その中で、獲得ポイントの大きい、ル・マン、スパ、ボルドールの3つの24時間レースに集中して取り組み、そこに集中できたことでタイトルが奪還できたんだと思う」

 −ライバルチームは?

 「SERTヨシムラでしょう。強いことは昨年から感じていた。それでも、24時間レースが3回もあるシリーズの結末は、誰にも読めない。力を尽くすしかないと思っていた」

 −今季印象に残っているレースは?

 「何と言っても第2戦スパ24時間(6月4日〜5日)の3位表彰台。長く難しいコースで、スパ・ウェザーと呼ばれる天候にも翻弄され、レース終盤に中断となる事態になった。その中で、ジーノが雨中の激走を見せてくれ、3位表彰台を文字通り奪い取ったのだから、印象に残らないはずがないよね」
 −2度目のチャンピオン獲得が決まったときの心境は?一度目とは違った?

 「達成感は今回が一番。いろいろなモノ、コトが押し寄せ、乗り越えるのに必死だったから。前回(2017−18シーズン)はもう随分前だし、よく覚えていない」

 −来季のチーム作りは?

 「何と言っても、耐久レースは生き残れば必ずチャンスがある。その時にそのポジションにいることがとても重要なんだ。だから、常にライダー、マシン、体制を大きくは変えない事だね」

 −監督として大事にしていることは?

 「今まででもそうだが、一体何のためにレースをしているかを常に自問し明確にしていくこと。そして、生活の全てをレースに捧げていくことだ」
 −EWCの魅力は?

 「耐久レースはよく『マラソン』に例えられるよね。まさにその通りで『人生そのもの』である。長年戦ってきてつくづくそう思える。『Endurance Race is just ourlife』だね。

 −鈴鹿8耐でケガを負ったジーノ選手の近況を教えて下さい。

 「1か月前、ようやくジーノに会いにイギリスの自宅に行った。その時、なんと歩いて出迎えてくれたんだ。驚いたし感動した。夏の鈴鹿で別れたのがついこの間のようで、そのときは病院のベッドで動きもせずに横たわっていた男が…。歩いて、そして話かけてくれた。奇跡が起こったと思った。我々も立ち止まっていてはいけない、負けられないよ」

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 2023年は最終戦を戦ったジョシュ、マイク、アランで挑むことを発表している。
◆藤井正和(ふじい まさかず)
 1960(昭和35年)年1月31日生まれ。62歳。千葉県出身。1984年実家のTSRを継ぐ。全日本、世界選手権に参戦、多くのライダー、メカニックを育てる。鈴鹿8耐は3勝を挙げている。EWCに16年から参戦開始、17−18年シリーズチャンピオンを獲得。18−19年は同2位。19−20年は同5位。21年同5位。22年2度目のタイトルを獲得する。