四角いジャングルから楕円の走路へ…女子ボクシングから転身した藤本梨恵
四角いジャングルから楕円の走路へ…女子ボクシングから転身した藤本梨恵
 オートレースの新人32期生19人のうち6選手がきょう19日、伊勢崎と山陽でデビュー戦を迎える。モタード王者の松本康(34)モトクロス出身の吉原恭佑(24)ら、期待のルーキーが第2のスタートを切る。中でも異色の転身を果たした藤本梨恵(30)に注目だ。ボクシングの女子東洋太平洋チャンピオンからオートレーサーへ。バイク経験は未知数だが、ボクシングで培ったハングリー精神は息づいている。闘志を前面に押し出して立ち向かう。

元女子ボクシング東洋太平洋チャンプがオーバルでファイト!!

四角いリングから楕円の走路へ

 32期生のデビュー最終組がスタートを切る。伊勢崎と山陽できょう19日、残る6人が初陣を飾る。これまでデビューした32期生は、ロード出身の鈴木圭一郎が3連勝、佐藤裕児が2勝を挙げるなど大活躍。女子でも益春菜が2勝を飾るなど健闘している。

 最後にデビューする中でも注目は、再び頂点をつかむため転身した藤本梨恵(30)=伊勢崎=だ。10年間続けたボクシングで、初代女子東洋太平洋スーパーフライ級チャンピオンに登り詰めた。その後、完全燃焼して引退したが「一生、勝負の世界で生きていたい」と決意。ポッカリと空いた心の隙間を埋めたのがオートだった。四角いリングから楕円(だえん)のアスファルトに戦う舞台を変えても、飽くなき闘争心とチャレンジ魂は変わらない。「ボクサーの時にチャンピオンになってもそんなに稼げなかった。だから速くなって、いっぱい稼いでいい生活をしたい」と藤本。ハングリー精神は息づいている。勝利のゴングを聞くまでは、何度でも立ち上がるつもりだ。
伊勢崎でデビューする松本康(右)と吉原恭佑。松本はモタード王者として注目を集める
伊勢崎でデビューする松本康(右)と吉原恭佑。松本はモタード王者として注目を集める
 モタード王者の松本康(34)にも期待がかかる。「伊勢崎は走路状態がいいし安定して乗れる。まだスピードが足りないので頑張ります」と、32期生の最年長は、クレバーな走りができそう。モタードは特殊なカテゴリーで馴染みは薄いが、松本が活躍することにより、知名度は上がるはずだ。また、モトクロス出身の吉原恭佑(24)は郵便配達をしながらレース資金を工面した苦労人。努力を惜しまず、栄光に向かって突き進む。

 山陽トリオの高木健太郎(24)は自衛隊で鍛えた根性で、小栗勝太(21)はオートの知識をフルに生かして、長田恭徳(18)はサッカーで発揮した俊敏性を武器にゴールを目指す。
山陽では元気印3人がスタンバイ。左から高木健太郎、長田恭徳、小栗勝太
山陽では元気印3人がスタンバイ。左から高木健太郎、長田恭徳、小栗勝太