全日本ロードレースを戦うJSB1000クラスの清成龍一(39)、ST1000の国峰啄磨(24)と国川浩道(40)が参戦している「TOHO Racing」が、5年ぶりに鈴鹿8耐に復帰し、全日本と同メンバーで挑む。鈴鹿8耐4勝の実績を誇る清成がブランクを埋め、チームをけん引する。
東広島市に拠点を置くTOHOレーシングは、福間勇二氏(58)がオーナー監督を務める。福間監督のルーツは学生のころに見た鈴鹿8耐で、「いつかはここを走りたい」と願ったという。その憧れを思い出したのが40代、ホンダCBR1000RRを購入して峠を走りだす。全日本を戦う山口辰也との出会いをきっかけに鈴鹿8耐への憧れが現実のものとなる。11年にTOHOレーシングを立ち上げ、チーム監督として8耐出場。自身も8耐出場を目指して同年レースにデビューした。12年には鈴鹿4耐に出場するまでになり、翌13年も4耐に出た。
12年の8耐では山口辰也/高橋裕紀/手島雄介のメンバーで2位表彰台に駆け上がり、一気に注目を浴びた。そして17年まで鈴鹿8耐に継続参戦してきたが、その後は体制が整わずに休止。復帰を目指すも、新型コロナウイルスの影響でレース自体が開催されなかったため、今回は5年ぶりの出場。満を持しての参戦となる。
「今年は清成選手が走ってくれることになり、最初は信じられない気持ちだった。清成選手が勝った鈴鹿8耐は、どれも素晴らしいレースだが、心に残っているのは12年。燃えたバイクをピットまで押してきた姿。そのガッツにほれたというか、こんなすごいライダーがいるのだと思った。その清成選手と鈴鹿8耐を戦えるだけで光栄だ」
12年の8耐では山口辰也/高橋裕紀/手島雄介のメンバーで2位表彰台に駆け上がり、一気に注目を浴びた。そして17年まで鈴鹿8耐に継続参戦してきたが、その後は体制が整わずに休止。復帰を目指すも、新型コロナウイルスの影響でレース自体が開催されなかったため、今回は5年ぶりの出場。満を持しての参戦となる。
「今年は清成選手が走ってくれることになり、最初は信じられない気持ちだった。清成選手が勝った鈴鹿8耐は、どれも素晴らしいレースだが、心に残っているのは12年。燃えたバイクをピットまで押してきた姿。そのガッツにほれたというか、こんなすごいライダーがいるのだと思った。その清成選手と鈴鹿8耐を戦えるだけで光栄だ」
その年、トップ争いを繰り広げていた清成は5時間経過後、首位奪回を目指しデグナーで転倒、24リットルフルタンクのマシンから漏れたガソリンに引火して大炎上。黒煙の中からマシンを起こして清成がピットまで戻る姿をカメラが追いかけた。観客から「頑張れ、頑張れ」という大声援が沸き起こった。清成は「顔をやけどして、肋骨(ろっこつ)も折れ、体も痛く…。でもピットに戻ろうと必死だった」と振り返る。スタッフはマシンを懸命に修復してチェッカーを受けた。清成と聞くと、この時を思い起こす8耐ファンも多い。
その清成が今季、TOHOレーシングに移籍したニュースは大きな話題になった。だが、全日本開幕前のテストでけがを負い、全日本JSB1000には国峰と国川が代役参戦して8耐に向けてのデータを残した。清成は6月の8耐テストで復帰。「自分が走れない期間、国峰選手、国川選手に助けてもらい、8耐への準備を進めてもらった。もちろん参戦する以上、勝利を目指す」と清成。
国峰は20年、TOHOが3年ぶりに全日本復帰を決めた時、ST600ライダーとして起用された。その速さには定評があったが、結果に結びつかず、オフには契約解消の話が出るが、福間監督は、国峰の才能を信じて使い続けた。今季からST1000にスイッチし、全日本ロード第4戦SUGOで激闘を制して優勝を飾った。今やチームの要として8耐テストでも精力的に走り込んでいる。
「チームのエースが清成さんであることは変わりないが、自分を信じてくれた福間さんや応援してくれる人たちへの恩返しのためにも、8耐で自分ができることに精いっぱい取り組みたい」と張り切っている。
その清成が今季、TOHOレーシングに移籍したニュースは大きな話題になった。だが、全日本開幕前のテストでけがを負い、全日本JSB1000には国峰と国川が代役参戦して8耐に向けてのデータを残した。清成は6月の8耐テストで復帰。「自分が走れない期間、国峰選手、国川選手に助けてもらい、8耐への準備を進めてもらった。もちろん参戦する以上、勝利を目指す」と清成。
国峰は20年、TOHOが3年ぶりに全日本復帰を決めた時、ST600ライダーとして起用された。その速さには定評があったが、結果に結びつかず、オフには契約解消の話が出るが、福間監督は、国峰の才能を信じて使い続けた。今季からST1000にスイッチし、全日本ロード第4戦SUGOで激闘を制して優勝を飾った。今やチームの要として8耐テストでも精力的に走り込んでいる。
「チームのエースが清成さんであることは変わりないが、自分を信じてくれた福間さんや応援してくれる人たちへの恩返しのためにも、8耐で自分ができることに精いっぱい取り組みたい」と張り切っている。
スーパースポーツ世界選手権(WSS)にスポット参戦したこともある国川は今季、ST1000に参戦を開始。最近はけがもあって本来の力を出せていないが、鈴鹿8耐ではチームのために力を尽くそうとしている。
「5年ぶりの8耐復帰に合わせて清成選手にはチームづくりから関わってもらって進めてきたが、体調が万全というところまでには届いていないことは理解している。もちろん懸命に挑むが、本気の勝負は来年。清成選手の完全復帰に合わせたいと思っている。チームとしては国峰選手の急成長もあり、現状でどこまでやれるのか挑戦という気持ちでいる」と福間監督。
次なる戦いを見据え、今年は大きく飛躍するための準備と位置づける。それでも、実力者の清成を中心に、どんな戦いを見せてくれるか。ファンの熱視線は変わらない。
「5年ぶりの8耐復帰に合わせて清成選手にはチームづくりから関わってもらって進めてきたが、体調が万全というところまでには届いていないことは理解している。もちろん懸命に挑むが、本気の勝負は来年。清成選手の完全復帰に合わせたいと思っている。チームとしては国峰選手の急成長もあり、現状でどこまでやれるのか挑戦という気持ちでいる」と福間監督。
次なる戦いを見据え、今年は大きく飛躍するための準備と位置づける。それでも、実力者の清成を中心に、どんな戦いを見せてくれるか。ファンの熱視線は変わらない。
▼清成龍一(きよなり・りゅういち)82(昭和57)年9月23日生まれ、39歳。埼玉県出身。02年全日本ST600王者。英国スーパーバイクでタイトル3回(06、07、10年)。12年アジアロードSS600王者。20年全日本JSB1000ランキング((R))2位、21年同(R)3位。鈴鹿8耐は歴代2位タイの4勝(05、08、10、11年)。
▼国峰啄磨(くにみね・たくま)98(平成10)年5月23日生まれ、24歳。群馬県出身。12年から全日本。13年JGP3ランキング((R))2位。14年アジアタレントカップ(R)3位、15年同(R)2位。17年ST600(R)2位。今季からST1000で(R)2位。JSB1000は清成の代役で4レースに出場して最高7位。
▼国川浩道(くにかわ・ひろみち)81(昭和56)年11月5日生まれ、40歳。千葉県出身。06年から全日本参戦。10年ロードレース世界選手権モト2にスポット参戦。15年ピレリカップ600チャレンジシリーズ初代チャンピオン。16年WSSスポット参戦。20年からST1000参戦中。今季は現在(R)15位。
▼国峰啄磨(くにみね・たくま)98(平成10)年5月23日生まれ、24歳。群馬県出身。12年から全日本。13年JGP3ランキング((R))2位。14年アジアタレントカップ(R)3位、15年同(R)2位。17年ST600(R)2位。今季からST1000で(R)2位。JSB1000は清成の代役で4レースに出場して最高7位。
▼国川浩道(くにかわ・ひろみち)81(昭和56)年11月5日生まれ、40歳。千葉県出身。06年から全日本参戦。10年ロードレース世界選手権モト2にスポット参戦。15年ピレリカップ600チャレンジシリーズ初代チャンピオン。16年WSSスポット参戦。20年からST1000参戦中。今季は現在(R)15位。