8年ぶりのタイトル奪還に燃えるホンダのワークスバイク「CBR1000RR―RSP」(赤松孝撮影)
8年ぶりのタイトル奪還に燃えるホンダのワークスバイク「CBR1000RR―RSP」(赤松孝撮影)
 8月はモータースポーツが花盛り。3年ぶりに復活する「鈴鹿8時間耐久ロードレース」に始まり、スーパーGTも長距離レースが2戦も組み込まれている。スーパーフォーミュラもダブルヘッダーが予定されるなど、国内だけでも毎週のように魅力的なレースが開かれる。全てを観戦できれば申し分ないが、そうそう遠征できるものでもない。そんな時に活躍するのが、スポーツ専門チャンネル「J SPORTS」だ。スマートフォンでも観戦できるオンデマンドを駆使すれば、熱戦を見逃すことはない。

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<鈴鹿8耐>カワサキ連覇なるか

3年越しの連覇を狙うジョナサン・レイ(カワサキ提供)
3年越しの連覇を狙うジョナサン・レイ(カワサキ提供)
 真夏の祭典として知られる「鈴鹿8時間耐久ロードレース」(8月7日決勝)が、3年ぶりに帰って来る。2輪の世界耐久選手権(EWC)の第3戦に組み込まれているため、欧州の強豪チームを含めた45台がエントリー。43回目を迎える伝統の1戦の制覇を目指し、熱い戦いが繰り広げられるのは必至だ。

 注目は、前回の2019年大会を制したカワサキレーシングチームだ。スーパーバイク世界選手権(WSB)で前人未到の6連覇(15〜20年)を達成したジョナサン・レイ=写真=(カワサキ提供)を中心に、3年越しの連覇に狙いを定める。

 カワサキにとって26年ぶりの優勝だった前回大会は、終了間際の赤旗を巡る裁定で、一度は失格扱いを受けながら、ゴールから2時間たって裁定が覆るドタバタV。今年こそは気持ち良く連覇を決めるつもりだ。

 一方、通算27勝を挙げるなど8耐では絶対的な存在だったホンダの復活にも期待が膨らむ。14年を最後に優勝から遠ざかっているため、18年からは名門復活をかけてワークスチーム「HRC」として参戦。“三度目の正直”となる今年は必勝態勢を敷いた。

 昨年から、ロードレース世界選手権(WGP)のモト2クラスで優勝経験のある長島哲太をテストライダーに起用。ワークス車両「CBR1000RR−RSP」の開発を託した。新型コロナ禍が影響して2年連続で中止になったものの、バイクの熟成は年々進み、事前テストではトップタイムを連発。3年前まで全日本で活躍した高橋巧(現英国スーパーバイク選手権)らと挑む本番では、優勝候補の筆頭に挙げられている。

<スーパーGT>優勝争い、スープラ勢が中心

真夏の富士はスープラやZが主導権を握りそう=第2戦富士のGT500クラスのスタートから(GTA提供)
真夏の富士はスープラやZが主導権を握りそう=第2戦富士のGT500クラスのスタートから(GTA提供)
 2カ月のインターバルが明ける8月のスーパーGTは、第4戦(富士スピードウェイ=7日決勝)が100周(435・9キロ)、第5戦(鈴鹿サーキット=28日決勝)も450キロの長距離レースが組まれている。この過酷な連戦をどう乗り切るかによって、タイトルの行方も左右するシーズン半ばのヤマ場だ。

 GT500クラスのランキング首位は、ここまで26ポイントを稼いだNDDPの千代勝正/高星明誠組(日産Z)。第2戦で車両が大破する大クラッシュに遭遇するも、チームの奮闘で復活。3週間後の第3戦で鮮やかな勝利を収め、シリーズをリードする立場になった。

 開幕戦を制したルーキーの大嶋和也/山下健太組(トヨタGRスープラ)も、同ポイントのランク2位。この上位2台は成績に応じて重りを積む「サクセスウェイト」が52キロに達し、燃料流量の制限も加わるため戦闘力が大きく制限される。ここ数戦は入賞争いが精いっぱいだろう。

 連戦の優勝争いは、重りの軽いトムスやセルモなどのスープラ勢が中心になり、富士と鈴鹿のコース特性と合うZがどう絡むか。NDDPと同じパッケージで戦うニスモの松田次生/ロニー・クインタレッリ組は「(富士か鈴鹿の)どっちかは(優勝を)狙いたい」と闘志満々だ。

 GT300クラスは、ランク首位に立つKONDOの藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デオリベイラ組(日産GT−R)の重りが99キロに達し、優勝を争える状況ではない。2年ぶりのタイトル奪還を目指すためにも、真夏の連戦はダメージを最小限にとどめる我慢の戦いになりそうだ。

<スーパーフォーニュラ>野尻の連覇か?平川の逆転か?

昨季王者の野尻(左)は安定した強さでタイトル争いをリードする(ホンダ提供)
昨季王者の野尻(左)は安定した強さでタイトル争いをリードする(ホンダ提供)
 スーパーフォーミュラ(SF)は、昨季初タイトルを決めたムゲンの野尻智紀が今年も安定した強さを発揮。ランク2位につけるインパルの平川亮に対し、29ポイントもの大差を築いている。

 8月にはホンダリゾートもてぎで第7、8戦(20、21日決勝)のダブルヘッダーが予定されている。真夏のもてぎでの連戦は、クルマにも、ドライバーにも過酷ながら、その結果がタイトル争いに直結する可能性もある。野尻は「次が正念場。死ぬ気で頑張りたい」と連勝を狙う。

 前戦の富士でもらい事故から無得点に終わった平川は、初タイトルへの正念場。それでも「まだ諦めていない。諦めるようならレーシングドライバーじゃない」と闘志満々。連続ポールtoウインを決め、一気に流れを引き寄せるつもりだ。

<WRC/フォーミュラE>

トヨタのロバンペラが初タイトルへ爆進中&大混戦の最終大会連戦

【WRC】タイトル争いでリードするTGRのカッレ・ロバンペラの熱走=エストニアラリーから(トヨタ提供)
【WRC】タイトル争いでリードするTGRのカッレ・ロバンペラの熱走=エストニアラリーから(トヨタ提供)
<WRC>

 シーズン後半戦に入った世界ラリー選手権(WRC)は、8月に第8戦フィンランド、第9戦ベルギーが開かれる。トヨタガズーレーシングの若きエース、カッレ・ロバンペラはすでに5勝を挙げ、選手部門の首位をばく進中だ。

 ランク2位につけるヒュンダイのティエリー・ヌービルとは83ポイントもの大差。チームの母国ラリーとなる次戦フィンランドも快走が予想され、11月の最終戦ラリージャパンを待たずに初タイトルを決めそうな勢いだ。

 トヨタの育成チームで戦う勝田貴元も、第6戦サファリで通算2度目の表彰台となる3位に入るなど安定した速さを身に着けランク5位。次戦は得意にしているハイスピードのグラベル(未舗装)ラリー。今季2度目、通算3度目の表彰台へ期待が膨らむ。

<フォーミュラE>

 電動車の世界選手権「フォーミュラE」は大詰めを迎えた。今年1月にサウジアラビアで始まったシーズン8も、韓国ソウルで開かれる最終大会の連戦(13、14日決勝)を残すのみになった。

 今季は14戦を終えて9人のウイナーが誕生する大混戦だ。ただ、ロンドンの第13、14戦で手堅くポイントを重ねたメルセデスのストフェル・バンドーンが、頭ひとつリードして最終大会を迎えることになった。

 バンドーンは現在185ポイント。ランク2位につけるジャガーのミッチ・エバンスに36ポイント差、同3位ヴェンチュリーのエドアルド・モルタラに41ポイント差を築いた。数字上は同4位DSテチーターのジャン−エリック・ベルニュ(57ポイント差)まで逆転の可能性はあるが、参戦4戦目での初タイトルに王手をかけている状況だ。
【フォーミュラE】ランキング首位で最終大会に臨むメルセデスのバンドーン(フォーミュラE提供)
【フォーミュラE】ランキング首位で最終大会に臨むメルセデスのバンドーン(フォーミュラE提供)