「第38期選手候補生」募集中
次世代のスターは君だ
元ロードの青木治親、青山周平らが活躍するオートレースは「第38期選手候補生」を募集中。一般受験は8月31日まで、特例受験は10月31日まで応募を受け付けている。これまで養成所で訓練にかかる費用が120万円ほど必要だったが、今回から無償になる制度を導入。詳細は「オートレース選手養成所」公式サイトから。合格した第38期候補生は2024年4月に入所し訓練期間を経て、25年1月にデビュー予定。バイクに乗ったことがなくても全く問題なし。もちろんロード、モトクロス経験者は大歓迎。これを機に未来のオートレーサーを目指そう。

養成費用はなんと無償!

(左)青木治親、(右)青山周平
(左)青木治親、(右)青山周平
夢の扉は開いている。あなたもプロのライダーとしてオートレーサーを目指してみませんか。受験費用は1万円。特例は無料で受験できる夢への入り口。合格すれば養成費用はなんと無償。選手平均の年収は1350万円と収入面も魅力で、トップの選手は年間獲得賞金が1億円を超えることも。バイクに乗ったことがなくても、自転車が乗れれば大丈夫。職業として選択する価値はある。

2輪最高のお祭り。真夏の風物詩「鈴鹿8時間耐久ロードレース」が開催中で「オートレース宇部レーシングチーム」もエントリー。山口県の複合型場外販売施設が母体となり活動を続けている。8時間に及ぶ熱く激しいバトルは、感動のドラマとゴールが待っている。その8耐とは対照的にオートレースは1周500メートルのオーバルコースで、6周回3100メートルを1分45秒前後のタイムで駆け抜ける競技。時間は短いがその分、濃密なバトルが繰り広げられる。

女子レーサー20人在籍

ロードからオートへの架け橋となった青木治親(WGP125ccクラス95、96年の世界王者)が、オートの門戸を叩いたのが03年。「一生レーサーでいたい」の思いからパイオニアとなった。あれから20年が経過し、ロード出身者は岩田裕臣(全日本125cc07年王者)、渡辺篤(全日本スーパーバイク02年王者、同JSB1000cc07年王者)、佐藤裕児、佐藤励、栗原佳祐らが、脈々とその転身を紡いでいる。その中には青山周平(兄は青山博一)や鈴木圭一郎がおり、今ではオート界をけん引。2強として君臨している。

モトクロスからは佐藤摩弥、泉田修佑、モタードは松本康らを輩出。特に佐藤は女子レーサーとして、男子と互角以上に戦っている。オートの最高峰レース「スーパースター王座決定戦」に参戦するほどの腕前だ。その効果は他の女子に波及。現在20人が在籍している女子レーサーの旗手となっている。距離ハンデがあるため、男子レーサーと互角に勝負ができる。

現役バリバリの76歳も

オートのエンジンは600ccの空冷4サイクルDOHC4バルブ並列2気筒(スズキ製)で、基本は選手自身が整備をする。気温、湿度、気圧など気象条件によって性能が変化するためセッティングの調整をして対応。最大出力を得るための整備手腕が必要になる。メカニックがいるロードとは違い、全てが自己責任。裏を返せば己の腕さえあれば速くなれる。

選手は愛車のバイク、ヘルメット、レーシングスーツで自己主張。さまざまなカラーリングを施し、楽しんでいる。公営競技の最年長記録を持つ鈴木章夫は76歳。今年7月に更新したが、いまだに現役バリバリ。まさに“一生レーサー”でいられる職業なのだ。

あす「鈴鹿8耐」BS12トゥエルビ副音声で

森且行&サトマヤがゲスト出演

8月6日の午前11時から午後9時まで、鈴鹿8時間耐久レースを生中継する「BS12トゥエルビ」では、副音声でオートレーサーの森且行、佐藤摩弥をゲストに迎え放送される。森は元SMAPのメンバーで、転身してオートのSG日本選手権を優勝。その後、落車で骨盤骨折などの重傷を負ったが、懸命のリハビリで復活した。また、05年には「チームハルクプロ」の監督として出場し、総合3位を獲得している。佐藤は7月17日に、女子レーサーとして史上初のGI制覇を飾り大活躍中。2人はオートレースの魅力を伝えながら“8耐”を盛り上げる。

◆応募資格
次の条件にすべて該当する必要があります。
(1)2023年7月1日現在、満16歳以上であること。
(2)中学校卒業以上の学力を有する者。
(3)運転免許証(原付き免許も可)を有する者。
(4)体重60キロ以下の者。
(5)両眼とも裸眼視力0.6以上、または矯正視力1.0以上で、色覚が正常である者。
(6)次のいずれにも該当しないこと。
▽公営競技関係法規の規定に違反して、罰金以上の刑に処された者。
▽禁錮以上の刑に処された者。
▽小型自動車競走選手であって、登録を消除された者。

◆オートレースとは
全国に川口、伊勢崎、浜松、山陽、飯塚にレース場がある。1周500メートルのオーバルコースを通常は8車で争い、6周回して着順を決める。バイクは600ccのエンジンに、2段変速トランスミッション。普通のブレーキはなくエンブレで減速するため、スロットルのグリップ操作のみでスピードをコントロールする。ハンドルは左回り専用のため、コーナーで水平に保つように左側が高くなっている。オーバルを速く走るためだけのバイクなので究極に軽量化。計器類やランプ、セルモーターなど一切なく、押しがけでエンジンをかける。レースの最大の特徴は実力差に応じて、距離ハンデが10メートルごとにつけられること。速い選手が後ろから、遅い選手は前からスタートできる逆ポールポジション制となっている。