新加入コルテーゼが「RSA」強奪〜型落ち提示に「NO」
契約越年も覚悟
第7戦ドイツGPでは2位表彰台に立った小山(左)。優勝したのはマルケス(中)で、その時の3位が小山を苦しい状況に追い込んだコルテーゼ(カメラ=遠藤智)
第7戦ドイツGPでは2位表彰台に立った小山(左)。優勝したのはマルケス(中)で、その時の3位が小山を苦しい状況に追い込んだコルテーゼ(カメラ=遠藤智)
 ロードレース世界選手権(WGP)125CCクラスの小山知良(27)=レーシングチーム・ジャーマニー=の契約更改が難航、越年の可能性が出てきた。一時はサイン寸前まで行ったが、ドイツ出身で今季ランキング7位のS・コルテーゼの加入がほぼ確実となったことで状況が一変。チーム残留で基本合意も、条件が変更されたことで話し合いが続いている。同クラス最年長の小山は来年には年齢制限上限の28歳になるだけに、2011年はまさにラスト・チャンス。果たしていい条件で契約を更新できるか――。

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 コルテーゼ加入が決まるまで、チームのエースとして小山の来季の交渉はとんとん拍子に進んでいた。金銭的にはこれまで同様で決して恵まれた条件ではなかったが、マシンがアプリリアの型落ちの「RS125R−RSW」から、M・マルケス(デルビ=アプリリアのOEM)が今季10勝を挙げてチャンピオンに輝いた最新型の「RS125R−RSA」に昇格することで、ほぼ話はまとまっていた。

 しかし、同じドイツつながりのコルテーゼが同チームに資金持ち込みでNo.1ライダーになることが確実となり、小山が乗る予定だったRSAにコルテーゼを乗せ、資金力で劣る小山はこれまで同様の旧型に乗ることを提示された。

 だが、「来年は年齢的に125CC最後のシーズン。クラス自体も12年からは4ストローク250CCのGP3になることから、最後のシーズンになる。だから絶対にチャンピオンになりたい。そのためには最新型のRSAはどうしても譲れない」と、小山はアピールした。

 現在の125CCは、アプリリアの独壇場。「今年は型落ちのRSWでもチャンスはあると思っていたけれど、予想以上に差があった。ドイツで表彰台に1度立つことができた。でもそれが精いっぱい」と小山。RSW勢では最上位の総合8位と健闘も、7位より上はすべてRSAだっただけに、「チャンピオンを獲るためには最低限同じマシン」と一歩も譲らない覚悟だ。

 チーム側はコルテーゼの獲得で強気に転じているが、RSAに乗せればコルテーゼより速いことは確実で、新チームをここまで引き揚げてくれた小山をキープしたいことに変わりはない。そこそこ実力のあるコルテーゼの金と、実力は証明済みの小山の両方を獲得しようと、ギリギリまで交渉が続くことになりそうだ。

 「交渉が決裂することはないと信じているけれど、絶対にないとは言い切れない。おそらく年内の決着は難しいと思う。でも、チーフ・メカニックなどスタッフ全員が僕を強烈にプッシュしてくれているし、当初の約束通り契約できると思っている。なによりも、チャンピオンを取ることを考えれば、RSAを手に入れなければならないし、これが手に入らなければチャンピオンはないのと一緒ですからね」と闘志を燃やす小山。

 暗礁に乗り上げた格好の契約交渉だが、チャンピオン獲得に向けて、最初の大きなヤマ場を何とか乗り切る構えのようだ。(遠藤智)