HRC(ホンダ・レーシング・コーポレーション)の2002年ロードレース世界選手権(WGP)に向けたテストが27日、スペインのヘレス・サーキットでスタートした。今回の注目は、何といってもヨーロッパ・デビューとなるニューマシン「RC211V」。02年シーズンからはじまるMoto GPクラス(旧500CCクラス)に投入される4ストローク・990CCエンジン搭載マシンで、この日は01年500CCチャンピオンのV・ロッシと宇川徹がライド。ロッシは46周をこなし、ホンダの公式発表では1分43秒1だったものの、手元計時の非公式タイムで自らのサーキット・ベストを0秒1上回る1分42秒6をマーク、宇川も最多の72周を走り込んで1分43秒5をたたき出し、初日からこれまで最速を誇ってきた2ストローク・500CCマシンの「NSR500」を凌駕する速さをみせつけた。

 一方、加藤大治郎はNSR500でヨーロッパで初の500CCのテストに臨み、42周してベスト1分43秒9を記録。250CCを制してトップ・カテゴリー昇格を果たしたばかりのこの段階では上々のタイムながら、大治郎は不服そうな表情。それでもRC211Vの速さには、驚きを隠せない様子だった。

 このテストにHRC陣営は、エンジニアだけでも約15人もの大部隊を送り込んでいるが、それをも上回ったのが報道陣。この日だけでもヨーロッパ各地から、単独メーカーのテストとしては異例ともいえる約30人が詰めかけ、注目の高さをうかがわせた。さらに、パドックではミシュラン、ダンロップ、ブリヂストンのタイヤ・メーカー、イタリアのブレンボ、日本のニッシンというブレーキ・メーカーが集合。4ストローク・マシン時代の到来に向け、早くも熱い火花を散らしていた。

 ▽V・ロッシ
 8月に鈴鹿で乗った時と随分印象が違うし、素晴らしいポテンシャルを感じた。今日はセットアップに専念したんだけど、HRCは素晴らしい仕事をしたと思うよ。

 ▽宇川徹
 かなりいい出来だね。いろいろとテストをやったし、成果も大きい。何といっても初日でこのタイムだからね。

 ▽加藤大治郎
 今日は(セッティングの)いいところをみつけられなかった。コースが全面張り替えられ、前よりよくなったところもあるけど、高速コーナーのバンプはひどくなったような印象を受けた。今日ははじめてのバイクで路面もはじめてだし、難しかった。(RC211Vは)宇川さんと何度か一緒になったけど、加速がすごい。

 ▽中嶋康二HRC取締役
 いいスタートだが、まだはじまったばかり。NSR500は500CCがはじめての加藤だし、簡単に比較はできないよ。