チームのモーターホームの前でほほ笑む鳥羽。来季シートの獲得に向け、正念場を迎えた
チームのモーターホームの前でほほ笑む鳥羽。来季シートの獲得に向け、正念場を迎えた
(WGP第13戦オーストリアGP 18日 レッドブルリンク、ペン&カメラ=遠藤智)

 モト3クラスを戦うCIPの鳥羽海渡(22)=KTM=が、来季の継続参戦に黄信号だ。参戦6年目。今年は開幕戦カタールGPで3位表彰台の好スタートを切ったが、その後は苦戦の連続。希望していたモト2昇格の移籍交渉がうまくいかず、途中からモト3残留にターゲットを切り替えるも、交渉が遅れたことも響き、現状では八方ふさがりという。とにかく、ここから一戦一戦、全力投球で好成績を挙げ、自身をアピールしていくしかない。

 鳥羽が来季のシート獲得で崖っぷちに追い込まれた。笑顔でサーキット入りするも、「WGPに来てから最大のピンチ」と窮状を明かした。

 ちょうど、来季に向けて盛んに話し合いが行われる時期。「これまでは厳しい時もあったが、何とかなってきた。でも、今年は本当に厳しい。今は、モト2でもモト3でもシートを獲得したい。そのためにも結果が欲しい」と力を込める。

 所属するCIPは自身のキャリアで3番目のチームとなり、今年で2年目を迎えた。昨年は表彰台1回(2位)でランキング17位―とチームの期待に十分応えられず、今年も12戦を終えて同12位と、さえない。モト2昇格はおろか、モト3残留も厳しい状況だ。

 鳥羽はその最大の要因について「予選の結果が悪過ぎ、決勝に影響している。決勝での走りは悪くないし『グリッドさえ良ければ…』というレースが多かった」と分析。「今大会からはしっかり予選を戦って決勝に挑みたい」と、生き残りをかけて全力投球の構えだ。

 予選のグリッドの悪さは、走りそのものよりもコースに出るタイミングや、位置取りなど戦略にも原因がありそう。モト3では、スリップストリーム(他車の背後で空気抵抗を減らし速度を上げる)が重要となるが、うまく活用しきれていなかった。

 鳥羽は2014年、ホンダ育成シリーズのアジアタレントカップ初代チャンピオンに輝き、17年からモト3参戦。19年のカタールGPでは初優勝を果たした。今年は、同期で同じく育成シリーズ出身の佐々木歩夢や、小椋藍(モト2)が大活躍しているだけに、ライバル心も燃え盛る。

 前戦では予選14番手から追い上げ、4位フィニッシュ。「もうちょっとで表彰台だった」と追い風ムードを感じている。今季も残り8戦。「何としても来季シートの獲得を」と渾身(こんしん)の走りで、崖っぷちからはい上がってみせる。