今季2勝目を挙げ、ランキング首位に初めて浮上した小椋(遠藤智撮影)
今季2勝目を挙げ、ランキング首位に初めて浮上した小椋(遠藤智撮影)
 ロードレース世界選手権(WGP)のモト2クラスでランキング首位に初浮上した、ホンダチームアジアの小椋藍(21)を直撃した。21日の第13戦オーストリアGPで今季2度目のポールtoウイン。速さに加え、強さも見せ、初タイトルへ「戦うぞ!」と力が入る。同GPのモト3で今季2勝目を挙げたマックスレーシング、佐々木歩夢(21)の走りにも大いに刺激を受けた。日本人選手として21年ぶりの2クラス制覇に貢献し、今後も快進撃を続ける。(聞き手=遠藤智)

チャントラとバトル「楽しかった」

最終周までバトルを繰り広げ、チーム初のワンツーフィニッシュを果たした小椋(手前)とチャントラ(遠藤智撮影)
最終周までバトルを繰り広げ、チーム初のワンツーフィニッシュを果たした小椋(手前)とチャントラ(遠藤智撮影)
―今季2度目のポールtoウイン。どんなレースだった?

 小椋藍「スタートを確実に決め、その後は『(他車を)抜いても(他車に)抜かれても、とにかく自分のペースで走り続けよう』と決めていた。序盤に予選2番手の(アロンソ)ロペスが前に出てきたのは想定内。そのロペスが(4周目に)ブレーキングでミスして、抜く必要もなく前に出られた。それからは、とにかく前だけを見て集中した」

 ―トップに再浮上して後続とのリードをやや広げる一方、徐々に同僚のソムキアット・チャントラらに追い上げられた。

 「全体的にペースの速いレースだった。チャントラもペースが良く、(タイトルを争うチェレスティーノ)ビエッティも予選タイムくらいで追い上げてきたから、僕も攻めの走りをしていた。(17周目に)ビエッティが転んでからは、ちょっとだけマージンのある走りに切り替えた」

 ―最終ラップ(25周目)でチャントラが抜いてきた。

 「来るとは思っていなかった。『ああ、来たな』って、ちょっとだけ焦ったけど、最終コーナーで抜き返せたし、あれはあれで楽しかった。チャントラは(登竜門シリーズの)アジアタレントカップ時代からのライバル。練習はいつも一緒だし、いいチームメート、いいライバル。本当にいいレースができた」

 ―初優勝のスペインGPと比べて、喜びの大きさは?

 「優勝した、という自分への喜びは変わらない。だけど、今回はチームメートが2位なので、チームとしての喜びは全然大きかった。最高のレースだった」

モト3歩夢のVに「刺激もらった」

 ―モト3時代からレッドブルリンクで3年連続の表彰台。速さの秘密は?

 「好きなコース。全体的にコーナーがすぐに終わるレイアウトなので、自分の走りに合っていると思う。バイクのセッティングは昨年ベースから徐々に合わせていった。昨年のデータをしっかり生かせた」

 ―モト3で勝った佐々木選手が「小椋選手は速いだけでなく、安定感が素晴らしい」と言っていた。

 「今回はポールポジションを取れたけど、もう少し一発の速さが欲しいかな。こちらこそ、歩夢のレースで(仲間が勝って)うれしいというより、感動させられた。2回もロングラップ(ペナルティー)をして勝っちゃったから、『すごい』としか言いようがない。本当にいい刺激をもらった」

 ―これでランク首位に立ち、チャンピオン争いで一歩前進した。

 「とにかく残り7戦、頑張るしかない。『戦うぞ!』って感じ。この先、(第14戦)サンマリノ、(第15戦)アラゴンとも好きなサーキット。いいレースがしたい」

貴重アドバイスの青山監督も歓喜

 〇…ホンダチームアジア初のワンツーフィニッシュを、青山博一監督は「いつかは達成したいと思っていたので、本当にうれしい。チーム全体が頑張ってくれた結果」と素直に喜んだ。モト2の前身250ccクラスの2009年王者。スタート前には2人に「1コーナーと最初のシケインをしっかり走れば、結果はついてくる」と貴重なアドバイスを授け、最高の結果を導き出した。