ロードレース世界選手権(WGP)バレンシア公式テスト
初めて駆ったモト2マシンに戸惑いを隠せなかった歩夢
初めて駆ったモト2マシンに戸惑いを隠せなかった歩夢
【27、28日 リカルドトルモサーキット(スペイン) ペン&カメラ=遠藤智】

 モト3クラスの今季最終戦で劇的な有終Vを飾った佐々木歩夢(23)が、来季から昇格するモト2クラスの初テストに臨んだ。モト3との違いに戸惑いながら、感触を確かめるように66周の走り込み。ベストタイムは26番手タイムに終わったものの、ヤマハの育成チーム「ヤマハVR46マスターキャンプ」での初日を堅実に滑り出した。ホンダチームアジアからMTヘルメット―MSIに移籍した小椋藍(22)は71周を走り込み、21番手タイムを刻んだ。

「モト3と全然違う」マシンで66周

新チームでモト2初テストに挑んだ
新チームでモト2初テストに挑んだ
 初テストを終えた歩夢が満面の笑みを浮かべた。初めてのモト2マシンに戸惑いは隠せないものの、ようやく果たした昇格に自然と表情は明るくなる。

 「当たり前だけど、モト3とは全然違った。トップスピードが(時速)60〜70キロも違うし、1回目の走行ではブレーキがうまくかけられなかった。徐々に良くなったけど、最後はもうこれ以上タイムが縮まらない感じ。『最初の壁』ってやつですかね」

 入門カテゴリーでタイトルを総なめにしてWGPに進んできたものの、モト3卒業まで7年もかかった。モト2との違いに慣れる苦労は、むしろ待ち望んでいたものだ。

 「どういう乗り方をすれば良いのかも、ちょっとだけ分かってきた。『トップタイムから2秒差』が一つの目標だった。ほぼ達成できたし、初乗りとしては悪くない」

 26日の最終戦バレンシアGPで大接戦を制し、ようやく待望の今季初勝利を挙げた。19日の第19戦カタールGPでは、王者を争ったライバルのチームを挙げた妨害工作により初タイトルの可能性が消滅。悔し涙にくれた鬱憤(うっぷん)も、最後に晴らしてみせた。

「オフもみっちりバイクに乗る」

 レースを終えてからは年間表彰式への出席などをこなし、休む間もなく迎えたモト2初テストでも疲れた様子は見せなかった。今後も「来年2月のテストまでオフになるけど、今年も日本に帰らない。ポルトガルやスペインでみっちりバイクに乗って、来年の準備をしたい」と、のんびりするつもりは全くない。

 移籍したヤマハから万全なバックアップを受け、用意してもらったYZFーR1でトレーニングを続けるという。歩夢の新しい挑戦が始まった。