明るい表情でインタビューに応えた中上(遠藤智撮影)
明るい表情でインタビューに応えた中上(遠藤智撮影)
 【セパン(マレーシア)遠藤智】ロードレース世界選手権(WGP)の最高峰モトGPクラスで、7年目シーズンを迎えるLCRホンダの中上貴晶(31)を直撃した。当地のセパンサーキットで3日までシェークダウンテストに参加し、昨年まで大苦戦を強いられた車両「RC213V」の進化に大きな手応えを明かす。引き続き6日からは3日間の公式テストに参加し、終了後の9日が32歳の誕生日。今季は「強いホンダ、強い中上貴晶を見せる」を目標に掲げ、着実な歩みを進める覚悟だ。

優遇措置でシェークダウンテスト参加

シェークダウンテストではマシンの進化に大きな手応えを得た(ドルナ提供)
シェークダウンテストではマシンの進化に大きな手応えを得た(ドルナ提供)
 ―3日間のシェークダウンテストに2日間参加した。

 中上「2日目から合流し、2日間とも午後4時過ぎにスコール。6時までの走行時間を有効に使えなかったけど、全体的には充実したテストができた。予定していたプログラムを消化でき、一番重要な新型バイクを試せた」

 ―今季型車の感触は?

 「昨年の最終戦バレンシアGP後の公式テストで投入したエンジンでスタートし、最終日にはもっと新しいエンジンを投入。出力のつながりが滑らかになり、乗りやすくなって、コントロール性も良くなった。(ホンダ陣営の)2チーム4ライダーともインプレッションは同じ。マシン開発の方向性が正しいことを確認できた」

 ―現時点のウイークポイント、改善したい部分は?

 「(前輪が浮く)ウイリーが起きやすいのと、コーナー脱出時のリアの安定性不足。空力面でもダウンフォース(気流で押さえ込む力)が少ない。その辺りを公式テストで、いろいろと試していきたい。これらが良くなれば、さらに善戦できるはず」

 ―昨季の成績不振によるコンセッション(優遇措置)は大きい?

 「そうですね。レギュラーライダーがそろう公式テストを前に、シェークダウンテストを2日間走れ、事前の準備ができた。時間のかかるライディングポジションの調整もしっかりでき、これからの3日間で本当に多くのテストにトライできると思う。こんなに多くのテストパーツがあるのは初めて。HRC(ホンダレーシング)の動きも変わり、すごくフレキシブルになった。危機感を感じて作業を進めてくれたことがうかがえるし、その期待に応えたい」

エンジン進化し、速くなっている

 ―昨年の公式テストよりタイムが良くなった。

 「ベストは1分59秒0。去年の公式テストに比べても速いタイムが出ているし、アベレージもいい。でも、このタイムは最終戦後のエンジン。もっと進化したエンジンは、公式テストに備えてセーブしてアタックしていない。昨年型エンジンから最終戦後のエンジン、さらに最新のエンジンと、全て進化しているし、パワーが速さにつながっている」

 ―スタート練習ではやや苦戦していたが?

 「今年からカーボンクラッチになり、そのフィーリングに少し戸惑っている。(同僚の)ヨハン・ザルコと(レプソルホンダの)ルカ・マリーニは昨季までのドゥカティでカーボンクラッチを使い慣れているけど、僕と(レプソルホンダのジョアン)ミルは感覚が違いすぎて苦労した」

 ―「強いホンダ、強い中上貴晶を見せる」という目標の達成へ、大きく前進できた。

 「公式テストでは、開幕戦に向けたメニューをしっかりとこなしたい。番手とかタイムを気にするよりも、これまで試したことがない(開発)パーツをしっかりと試したい。昨年が厳しいシーズンだったので、少しでも光りが見えるように、高いモチベーションを持って、強いホンダを取り戻せるように頑張りたい」