新人のように精力的に周回を重ねたマルク
新人のように精力的に周回を重ねたマルク
 【セパン(マレーシア)遠藤智】ロードレース世界選手権(WGP)のモトGPクラスを6度制したマルク・マルケス(30)=スペイン=が、今季から移籍したドゥカティ陣営で確実に歩みを進めている。6〜8日に公式テストが行われた当地のセパンサーキットは苦手なサーキットの一つだが、まるで新人のように精力的に周回。3日間総合でトップとコンマ5秒差の6番手タイムを刻み、「今はとにかく、いっぱい乗るだけ」と新たなスタートに意欲満々だ。

 連日30度を超える猛暑の中、かつての絶対王者が黙々と走り続けた。2日目には参加23台で最多の72周をこなし、3日間で計173ラップ。最も暑さの厳しい午後2〜3時にも、休憩するライバルたちを尻目にロングランなどに取り組んだ。「ピットにいたんじゃ前進はないからね。コースに出て、いろんなことを試したかったんだ」と、まるでルーキーのように汗を流した。

 今季からドゥカティのプライベートチーム「グレッシーニ」へ移籍。新たな相棒となったデスモセディチGPの理解を深めようと努め、「セパンは(過去2勝止まりと)苦手のコースだし、バイクを理解するのが難しかった。スムーズにはいかなかったけど、予定にないメニューもこなせたし、着実に前進できた」と納得の表情を浮かべた。

 3日間の自己ベストは最終日の1分57秒270。1年型落ちの、まだ慣れていないバイクで、総合トップタイムを刻んだドゥカティの2連覇王者フランチェスコ・バニャイアと0.588秒差だった。それでも、「ペッコ(バニャイア)たちは速い。今回コンマ5秒差といっても、とても遠いところにいる。しかも若くて強いからね」と控えめな姿勢を崩さない。

 「もっともっと周回しないと、ドゥカティのパフォーマンスを引き出せない。今の目標はバイクを理解して、5位以内でゴールすること」と、まずは陣営内での足固めを重視。ともに黄金期を築き、強い愛着を抱いていたホンダワークスを離れた以上、立ち止まってはいられない。自らの伸びしろを信じ、「いっぱい乗って、ただただ前進あるのみ」と静かに闘志を燃やしている。
「着実に前進できた」と手応えを明かした(いずれも遠藤智撮影)
「着実に前進できた」と手応えを明かした(いずれも遠藤智撮影)