開幕直前編
ぶっちぎりの予行演習だ! セパンでいきなり汗を流したノリック(カメラ=遠藤智)
ぶっちぎりの予行演習だ! セパンでいきなり汗を流したノリック(カメラ=遠藤智)
 WGP開幕戦マレーシアGPの開幕を2日後に控えた14日、阿部典史がクランプリの舞台となるセパンサーキットに登場、早々とコースチェックを行った。ワークスを離れて、今季はスペインの「アンテナ3」からの出走と状況は厳しいが、ノリックは持ち前の明るさでグランプリ参戦5年目に挑む覚悟だ。セパンはオフのテストで好調だっただけに気合満点、日本GP(25日決勝)へ続く開幕2連戦へ元気のいい抱負が飛び出した。
 気合満点! 闘志もバリバリなんだけれど、この数日はどうも調子が出なかった。何となく熱っぽくて体がダルい。大事な開幕2連戦を前にどうしちゃったんだろうと心配だった。

 そんな話をしたら、気合が入りすぎてたんじゃないのかって笑われた。125ccの上田さんが、やっぱり気合が入りすぎると熱が出るらしい。それならいいんだけど、どうやらそうでもなさそうだ。

 いま、マレーシアでは、新種のウイルスによる脳炎が発生している。ウイルスが原因だっていうのは最近になって分かったんだけど、最初は日本脳炎だって言われていた。だから、ヤマハの関係者は全員、日本脳炎の予防注射をうってクアラルンプールに出掛けたんだ。

 どうやら、体をダルくさせている犯人は、この予防接種にあるような気がする。だって、その翌日から、僕のトレーナーの生田目さんも熱を出して寝込んでいる。はっきりしたことは言えないけど……。

 まあ、そんな状態も何日かしたら良くなってきたし、出発の日は無理やり気合を入れてぴりっとした気分で出掛けた。とうとう開幕戦が始まる。もう、ここからは最終戦まではノンストップ。あっという間に時は過ぎていく。そのあっという間を、悔いのないように全力で走り抜けたいと思っているんだ。

 今年のオフのテストは、いろいろ得るものも多くて、まあまあだったような気がする。特に前半は良かった。後半のマレーシアとツインリンクもてぎは、チーム体制の問題もあって、スタッフも最小限、マシンも1台。いろいろとトラブルも出てタイムは出せなかったけれど、人間自体の調子はいいから心配はしていないけどね。

 もてぎのテストでビアッシが、「アベは時々速いだけ」って言ってたらしいけど、アイツは分かってないなって思った。何が分かってないかはここでは言えないけど、そうじゃないだろうってね。確かにビアッジはテストを追うごとに速くなってきた。侮れない相手だけど、練習とレースは違うから全然気にしてない。何を言われたって、レースでぶっちぎってやればいい。やっぱり最大の目標は、ミック(ドゥーハン)しかいないと思っている。

 とにかく、マレーシアGPで勢いをつけて、日本GPに挑みたい。この2連戦は初コースで、みんなチャンスだと思っているし狙ってくるはず。きっと激しいレースになると思うけど、やれることは全部やってきたし、あとは全力で頑張るだけ。

 とにかく、今年も1年全力で頑張るので、「No Limit」をよろしく。そして応援してください。

■1999年4月15日掲載