通算80勝で最多勝記録も更新
ローブ(Red Bull Content Pool)
ローブ(Red Bull Content Pool)
 【WRC開幕戦モンテカルロラリーDAY3&4、ペン=古賀敬介】Mスポーツ/フォードのセバスチャン・ローブ(47)=フランス=が、最終日に再逆転で4シーズンぶりに優勝。WRC最年長優勝を果たすとともに、自身の持つ最多勝記録を「80」に伸ばし、モンテカルロも最多タイの通算8勝目とした。初めてハイブリッドマシンを導入したWRC新時代の初戦は、かつて前人未到の9連覇を成し遂げたレジェンドが制した。昨季モンテの勝者、トヨタのセバスチャン・オジエ(38)=同=は悔しい2位。

 1年半ぶりにWRCに復帰したローブが、2018年の第12戦スペインラリー以来となる優勝を飾った。最終パワーステージを4位で走り終えると、プーマ・ラリー1から飛び出してガッツポーズ。愛妻セブリーヌさんのキスの嵐を受け、新たにコンビを組んだ女性コドライバーのイザベラ・ガルミッシュと抱き合って喜んだ。

 「オジエは本当に速かった。彼との戦いは熾烈(しれつ)だった。優勝は予想もしなかっただけに、うれしい」。年輪を重ねた顔に笑顔をたたえた。

 雪の少ないモンテ第90回の記念大会は、トヨタのオジエとのマッチレースとなった。オジエがリードすると、ローブが逆転。それをオジエがひっくり返し、最後にローブが再び逆転。大詰めの競技区間SS16で、大量リードを築いていたオジエがパンクを喫したため、Vが転がりこんだ。

 2004〜12年にドライバーズタイトル9連覇を達成した絶対王者。来月に48歳となるが、ファイティングスピリットは健在だ。年明けはサウジアラビアで行われたダカールラリーに出場し、自己ベストの2位を獲得。そのまま疲れも見せずモナコに飛ぶと、慣れないプーマ・ラリー1を急いでテストし、いきなり実戦に臨んだ。

 初めての環境でもしっかり結果を残すところはさすが歴代最強ドライバー。モンテ8勝とし、オジエの最多記録に並んだ。Mスポーツ/フォードとの契約はこの1戦だけというが、もう次のオファーが来るはずだ。