シェークダウンで最速タイムをマークしたオジエ(トヨタ提供)
シェークダウンで最速タイムをマークしたオジエ(トヨタ提供)
(WRC開幕戦モンテカルロラリー シェークダウン 19日、ペン=古賀敬介)

 ハイブリッドシステム搭載の新世代「ラリー1」がトップカテゴリーカーとなって2年目の幕開けだ。初年度を見事に2冠(選手&マニュファクチャラー部門)で飾ったトヨタガズーレーシング(TGR)は、今年もスポット参戦のセバスチャン・オジエ(39)=フランス=が、通算9回目のモンテカルロ制覇に挑む。昨季は優勝に王手をかけるも終盤のパンクで逃しており、「今年こそ」の思いは強い。シェークダウンは最速タイムをマークし、幸先の良い滑り出し。トヨタ育成の勝田貴元(29)は9番手。

 2021年のドライバーズタイトル獲得を経て、フル出場からスポット参戦に切り替えた昨季、オジエは2年連続のモンテカルロ制覇はならず、1勝(スペインラリー)のみにとどまった。出身地に近く、ほとんど自分の庭での戦いといえるモンテでは、14〜19年に6連覇を達成。インターコンチネンタルラリーチャレンジ時代を含めれば、既に通算8勝という“モンテ・マイスター”が、雪辱を狙う。

 昨年は大量リードを築きながら、大詰めの競技区間SS16でパンクを喫したため、かつてシリーズ9連覇を成し遂げたレジェンドのセバスチャン・ローブに勝利をさらわれ、「運がなかった」とこぼしていた。

 その悔しさを晴らしたいオジエは「モンテは、私が最も勝ちたいと思っているイベント。今回もベストを尽くすよ」ときっぱり。

 「ここは非常に複雑なラリーで、場所によってコンディションも装着するタイヤも変わる。規則で制限が厳しくなり、事前に一日しかテストできず、ラリーの準備は以前よりも難しくなったが、過去の経験を最大限に生かせるよう頑張りたい」と意気込む。

 トヨタの「GRヤリス・ラリー1」は、ハイブリッドシステムの冷却に向けリア部分を変更。さらに、新スペックのエンジン導入など、昨季からさらに性能の向上が図られた。

 オジエも「昨年は本当に楽しむことができた。自分にもまだ競争力があると分かって安心したので、今年はさらに多くの勝利を得たい」とクルマに信頼を寄せている。

 今年のモンテは昨年と同様、フランス南部、山岳地帯のターマック(舗装路)に設定される。コースの下見走行の段階では、基本的に“ドライモンテ”、路面にまとまった雪がない状態だ。

 昨年もドライモンテだったが、意図的に除雪しなかったSSのみスノーロードだった。しかし、今年はそのSSがないため、どこも似たような路面状況といえそう。

 ただ、山岳地帯の高地の一部では、突然空模様が変わり、瞬間的にいくつかのコーナーが、2センチ程度の雪に覆われることも。除雪車が頻繁に往来しているため、雪が路面に残ることはなさそうだが、路肩には雪があり、ぬれた路面は早朝凍結するかもしれない。

 選手らがレッキ(下見走行)を行った後に路面コンディションが急変する可能性もあり、作成したペースノートとは大きく異なってしまう場合も十分考えられる。ドライバーの技術、チームの総合力が問われる伝統の難関ラリーが始まる。