世界ラリー選手権(WRC) 開幕戦モンテカルロラリー DAY2(SS3〜8) 20日 モナコ ペン=古賀敬介

4本のステージでベストタイムを記録し、リードを拡大して首位を守った(古賀敬介撮影)
4本のステージでベストタイムを記録し、リードを拡大して首位を守った(古賀敬介撮影)
 トヨタガズーレーシング(TGR)の勢いが止まらない。競技区間(SS)6本の最速タイムを3人で分け合い、初日からの“完全制覇”を継続。うち4ステージを制したスポット参戦のセバスチャン・オジエ(39)=フランス=が首位を守った。36秒差の2位には昨季王者カッレ・ロバンペラ(22)=フィンランド=が浮上し、「新旧王者対決」の構図となったチーム内バトルに注目が集まる。トップと37・9秒差の3位には、ヒョンデのティエリー・ヌービル(34)=ベルギー=がつけた。

トラブルはねのけ、SS4本で最速

笑顔で取材を受けるオジエ(トヨタ提供)
笑顔で取材を受けるオジエ(トヨタ提供)
本格的な戦いに入ったこの日の舞台は、フランス南部の山岳地帯。雪の少ない「ドライモンテ」とは言うものの、一部にぬれた路面や残雪、さらには凍結セクションもあり、モンテ特有の難しさに変わりはない。

 そんな中でもオジエはSS3〜5&7と4回もトップタイムをマークし、後続とのリードを広げた。余裕の展開に見えるが、実はピンチを乗り越えての快走だった。

 「午前中の2本のステージでハイブリッドブーストが作動しなかったんだ。それを補うために、かなりリスクを負って攻めるしかなかった。自分が一番速くて驚いたよ」。何と最大100馬力以上を発生するハイブリッドブーストなしで、誰よりも速く走ったのだ。

 午前中のSS5までの3本を制すると、タイヤフィッティングゾーンで調整を受けてハイブリッドの問題が解決。「午後は普通のリズムで走り続けられた。一筋縄ではいかない一日だったが、全体的にはポジティブだった。十分なリードを築いて(サービスパークの)モナコに戻ってきたことが何よりも重要だ」と安堵(あんど)した。

 2021年まで長らくモンテカルロラリーのサービスパークが置かれた、フランスのギャップ出身。インターコンチネンタルラリーチャレンジ時代を含め、モンテでは最多タイの通算8勝を誇る。この日のトラブルをものともしない走りを見ても、まさに「モンテカルロの主」である。

 ここまでほぼ完璧な走りを見せているが、モンテにはハプニングが付きもの。昨年も首位で迎えた最終日にパンクとペナルティーを喫して優勝を逃しただけに、油断は禁物だ。「DAY3は長い一日になる。できるだけクリーンな走りを心掛けて戦う」。残り2日の戦いへ、気を引き締めた。